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スペース・サタン
SATURN 3

米 1980年 89分
監督 スタンリー・ドーネン
原案 ジョン・バリー
音楽 エルマー・バーンスタイン
出演 カーク・ダグラス
   ファラ・フォーセット
   ハーヴェイ・カイテル


 テレビ番組『チャーリーズ・エンジェル』で一躍人気者になったファラ・フォーセットのもとには映画への出演依頼が殺到した。彼女が選んだ映画は『シャレード79』と『サンバーン』という2本のミステリーだった。これがまったく面白くなかった。続いて彼女は本作に出演した。これもまったく面白くなかった。彼女のキャリアはこれで終わった。

『炎の人ゴッホ』や『スパルタカス』の重鎮、カーク・ダグラスは人気が低迷していた。『悪魔が最後にやって来る』というイタリア製Z級オカルト映画に出たのがいけなかった。名誉挽回で本作に出演。彼のキャリアはこれで終わった。

 マーチン・スコセッシの監督第1作でデビューし、『タクシー・ドライバー』で注目されたハーヴェイ・カイテルは、『地獄の黙示録』の主役に抜擢されたが、コッポラと喧嘩して降ろされたばかりだった。金が必要だった彼は、仕方なく本作に出演した。彼のキャリアはこれで終わった。
(11年後の『レザボア・ドッグス』で復帰)

 というわけで、『スペース・サタン』は出演者3人のキャリアを撃沈した呪われた作品である。


 物語は極めて俗で下らない。
 ジジイの学者と若い女の助手だけが暮らすスペース・コロニー。当然にセックスばかりしているが、そこに赴任した男が横恋慕。デク人形のようなロボットを作って女の気を引こうとするも、ロボットに殺され、ジジイも殺されて、残るは女ただ一人。今日も火照るからだを慰めるのであった.....って、わざわざ宇宙を舞台にするような話かい、これ?。

 若き日のハーヴェイ・カイテルが見られるのは嬉しいことであるが、しかし、彼は明らかにミスキャスト。狂犬の如きカイテルが宇宙服を着ることぐらい不似合いなことはない。
 従って、本作唯一の見どころはファラ・フォーセットのヌードということになる。当時中学2年だった俺らは写真部の奴を引き連れて、映画館でお宝ヌードをフィルムに収めた。なにせビデオのない時代である。20枚ほど焼き回しして、1枚300円で売った。完売したのだから、いい時代であった。


備考

『プレイボーイ』誌に掲載されたハーヴェイ・カイテルへのインタビューより、本作に関する部分を抜粋してみよう。

「80年代、あなたはイタリアのTVなど海外で仕事をした。何故です?」
「俺は一文無しで、金が必要だった。アメリカでは仕事がなかった。一文無しになったのは、人生で二度目だった」
「最初はいつです?」
「『スペース・サタン』に出た時だ。でも、俺はここで本当はやりたくなかった仕事を嘆くつもりはないぜ。俺はその仕事をし、9万ドル稼いだ。それを恥じちゃいない」


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