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2300年未来への旅
LOGAN'S RUN

米 1976年 115分
監督 マイケル・アンダーソン
出演 マイケル・ヨーク
   ジェニー・アガター
   ピーター・ユスティノフ
   ファラ・フォーセット
   リチャード・ジョーダン


『2001年宇宙の旅』のバッタもん的邦題から配給会社のヤル気のなさがヒシヒシと伝わってくる作品。たしかに、『未知との遭遇』や『スターウォーズ』といった新感覚のSF映画が海の向こうで大旋風を巻き起こしている中で、こんなオールドファッションなSFを汗水たらして売り歩く気にはなりませんわなあ。カメラ付携帯電話が標準仕様となりつつある中で「ピッチ売って来い」と云われているようなもんだからね。

 人口爆発に核戦争という近未来SFのお約束を経て、人類は電子頭脳に支配されたドーム型居住区に隔離されていた。そこはフリーセックスのウハウハランドだったが、30歳になると人口調整の為に殺されてしまう。当然、これを嫌がる者もいて、脱走者が絶えないが、そういう奴らは死刑なのだ。国会で青島幸男が決めたのだ。
 主人公のローガンは脱走者を取り締まる「犬」だったが、ふとしたことでオトリ捜査の命を受け、自らが脱走者となるハメになる。そして、実際にドームの外に脱走してみて、放射能が綺麗に洗い流された豊かな自然を目の当たりにし、「今までのドームでの生活はいったい何だったんだ?」と茫然とするのであった.....。


『ソイレントグリーン』や『赤ちゃんよ永遠に』を連想させる物語で、76年の製作にしては古さは否めない。しかし、それでも無名時代のファラ・フォーセットが出ていたり、サイケなセックス道場に紛れ込んだり、気が狂った変なロボットと取っ組み合いをしたり、ジェニー・アガターが無意味に乳を出したりと、なかなか楽しんで観ることが出来る。但し、90分までは。
 問題はそれからだ。ドームの外でピーター・ユスティノフ扮する老人に出会ったことから物語は急激に失速してしまう。そして、残りの30分はダラダラダラダラと予定調和のラストへと進む。

 はっきり云って、駄作である。
 こりゃ配給会社にヤル気がなくて当然だわ。ピッチかと思ったらポケベルだったんだから。


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