イベント・ホライゾン 米 1997年 96分 |
最近のハリウッド映画はそのほとんどが「どこかで見たことがある感」に支配されているが、本作ほど「この感」が強い作品も珍しい。要するに、様々な過去の作品のパッチワークのみで成り立っているのである。ここには新しいものは何もない。あるのは「引用」の洪水である。 2040年、ワープ航法を可能にした画期的な宇宙船イベント・ホライゾン号が行方不明となった。その7年後、同号は海王星軌道上に姿を現す。救助へと向かったルイス&クラーク号の一行は、そこで「この世の地獄」を体験することになる.....。 早い話が「幽霊船もの」のバリエーションである。まず、ここで思い出される元ネタが『ゴースト・血のシャワー』だ。また、遭難船探索ということで『エイリアン』も入っている。 |
で、いったい何があったのかというと、この船はワープ航法で「この世の果て=地獄」にまで行ってしまったのだ。そして、船自体が邪悪な生命体となって、再びこの世に戻って来たのである。 いやあ、パクった、パクった、盛大にパクりまくりましたよ。大したもんだ。ここまでオリジナリィティがないといっそ清々しい。例えば、クライマックスで「血の洪水」が出てくると、 映画芸術的な観点からは最低には違いないが、当「最低映画館」的にはなかなか見どころのある作品ですぞ、お立ち会い。 |
備考 |
本作は「まんま『スフィア』」だという話もあるが、私は『スフィア』を見ていないので、なんとも云えない。あしからず。 |