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ジャージー・デビル・プロジェクト
THE LAST BRADCAST

米 1998年 86分
監督 ステファン・アヴァロス
   ランス・ウィーラー
脚本 ステファン・アヴァロス
   ランス・ウィーラー
出演 デヴィッド・ビアード
   ジム・スワード
   ステファン・アヴァロス
   ランス・ウィーラー
   レイン・クラバース


「タイトルの時点で既に見る気のしない映画」というのが結構ある。
 例えば『羊たちの沈没』。もう、内容はだいたい想像がつく。この手のパロディ映画に釣られて、貴重な時間をどれだけ蕩尽してきたことか。人生は短いのだ。豊かな余生を過ごしたいものだ。
 この『ジャージー・デビル・プロジェクト』もまさにその範疇の映画だった。『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』の便乗であることがありありで、
「へへん。だまされるもんかい」
 とスルーするのが大人の所作というものだ。
 ところが、後に「なかなかのもの」との評判を聞き、はて、どんなものかと見てみると.....。うわっ、だまされた。こっちの方がオリジナルだった。迂闊だったあ。もっと早く見ればよかったあ。

 本作は或る殺人事件に関する「ドキュメンタリー」である。
 ニュージャージー州に伝わる都市伝説「ジャージー・デビル」の真相を探ろうと森に入ったケーブルテレビのスタッフ4人が殺人事件に巻き込まれる。一人だけ生還したジムが容疑者として逮捕されるが、疑問に思ったドキュメンタリー作家、デヴィッド・リーが独自に調査を始める.....という物語。本作はこのデヴィッド・リーが監督兼司会者の「疑似ドキュメンタリー」として進行する。
 どうです?。『ブレア・ウィッチ』にそっくりでしょう?。
 ところが、本作は『ブレア・ウィッチ』の前年に製作されているのですよ。どちらがパクったかは明白ですね。
 私、『ブレア・ウィッチ』の監督には好感が持てず、むしろバカなのではないかと思っていたのですが、その予感は適中していました。真のバカ野郎ですね、あいつらは。

 で、本作のスゴいところは、単なる「疑似ドキュメンタリー」で終わらせなかったことなのである。
 事件を淡々と調査し、分析して行くデヴィッド・リーは、遂に真犯人を特定する決定的証拠を手にする。さて、真犯人は.....という土壇場で物語は突然「ドキュメンタリー」のスタイルをかなぐり捨てて「劇映画」へと移行してしまう。
「ウソッ!!」
 と叫ぶ間もなく、新たな殺人が目の前で行われ、物語は森の中へと収束して行く。あたかも、何事もなかったかのように.....。

 この衝撃のラストを目撃した私は、しばし呆然とし、そして『ツインピークス』を思い出した。
 森に巣食う邪気が惨劇を引き起こす。
 それは誰にも止められない.....。
 そんな無情感が深い余韻を齎す。本作は間違いなく「ツインピークス世代の回答」であろう。後味は決して良いとは云えないが、
「スゴいものを見てしまったあッ!!」
 という充足感を得ることができる。  然るに、その上辺しかパクることができなかった『
ブレア・ウィッチ』とはいったい何なんだ?。結局、商業的成功作は必ずしも傑作ではないのだなあ。

 10年後にカルトとなるのは、間違いなく、こちらの方である。


 

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