世界残酷物語 伊 1962年 91分 |
もう20年以上も前のこと、水野晴郎解説の「水曜ロードショー」で『世界残酷物語』のプライムタイムにおける最後の放送(今のところの)があった。放送されたのは『世界残酷物語』『世界女族物語』『続世界残酷物語』の3作を編集した「総集編」で、ナレーションはなんとタモリだった。 《タモリのナレーションにガッカリ》 良質のドキュメンタリー?。これがあ?。アホか。これがドキュメンタリーに見えるか?。これはれっきとした劇映画なのだぞ、ボケ。 |
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実は、正直云って、私も当初はドキュメンタリーだと思っていた。しかし、繰り返し観るうちに、不自然な部分が目立ち始める。 このように、ヤコペッティのフィルムは「やらせ」ばかりである。そのような映画を「ドキュメンタリー」と呼ぶことは出来ない。撮りたい映像が予定されていて、それを撮るために事実をねじ曲げた場合、それはもう「劇映画」と呼ぶべきなのである。 |
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しかし、「やらせ」だと判っていても、我々はヤコペッティの作品に魅了され続けている。美しいからだ。彼が描き出す「悲惨美」は、とにかく圧倒的だ。 註1 アボリジニの「カーゴ・カルト」は本当だが、村人全員が働きもせずに毎日空を見上げているというのでは干上がってしまう。 |
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