吐きだめの悪魔 米 1986年 102分 |
『吐きだめの悪魔』とはなかなかの名邦題である。「掃きだめ」では足りずに「吐きだめ」なのだから。それだけバッチい映画だということだ。 物語を説明するのは困難だ。スラムに暮らす浮浪者やヤクザ、悪徳警官、チンピラどもの複合的な物語だからだ。黒澤明の『どですかでん』エログロ版だと思えばよろしい。 人が溶けたり弾けたりする他にも、引きちぎられたペニスが宙を飛んだり、ドヤに迷い込んだ売春婦を数十人の浮浪者が回して殺してしまったりと印象的なシーンは多い。 監督のジム・ミューローは、当時21歳の新鋭。しかし、監督作はこれ1本で、堅実にカメラマンとしての道を選んだ。『タイタニック』や『ターミネーター2』『JFK』といった一流の作品で主にステディカムを担当している。 |