今、私の手元に本作のパンフレットがある。そう。私はこのバッチい映画を「テアトル東京」のシネラマ画面で見てしまったのだ。
パンフレットにはこうある。
「本作はカンヌ映画祭で上映されるや大反響を巻き起こし、アメリカはもとより世界各国で大ヒット。まったく新しいタイプの恐怖パニック映画として、文字通り、世界中の映画市場を侵蝕しつつある」
そりゃ大反響だろうよ、こんなにバッチいんだから。
物語は極めて単純だ。雷がドーンと落ちて高圧電線が断ち切られ、地底に住むゴカイたちがビリビリッと痺れて突然変異。人間たちを襲い始める。ただそれだけである。
見どころはとにかくゴカイの接写シーンに尽きる。超アップのゴカイがシネラマの大スクリーンに映し出されるのだからたまらない。本作の「テアトル東京」興行はちょっとしたイベントだったように思う。
その他にはなんといっても、ヒロインに横恋慕するロジャーが悲惨の極みで忘れられない。恋仇を闇討ちするもゴカイに襲われて、顔を喰われる(写真上)。それでもめげずに夜這いをかけるが、ゴカイの海に落ちて一巻の終わり(写真下)。この映画、ロジャーに捧げられた作品と云っても過言ではない。
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