ソサエティー 米 1989年 99分 |
本作はブライアン・ユズナの初監督作品である。しかし、実際のところは、スクリーミング・マッド・ジョージの作品と云うべきであろう。とにかく、彼のイマジネーションが作り上げた「ドロドログチャグチャの社交界」、これがこの映画のすべてであり、それ以外は なくてもよい。 上流階級に生まれ育ったビルは、何不自由ない生活を暮らしているが、家庭での疎外感に悩んでいた。両親や妹が他人に見え、時には化け物にさえ見える。 要するに「金持ちは貧乏人を喰いものにする」という言葉をそのまま映像化したような作品なのである。上流階級の人々は、実はドロドログチャグチャと溶けて自在に形を変えられる化け物で、「社交界」とは彼らがドロドロに溶け合ってオマンコしながら、生け贄の人間をデロデロと食べる場所だったのだ。 |
さあ、ここまで来たら、後はスクリーミング・マッド・ジョージの仕事を楽しむのみである。日本人である彼のイマジネーションのルーツは、おそらく諸星大二郎の『生物都市』であろう。十数名がドロドロ溶けて融合して、乱交に興じる様はまさにあれだ。 本作はマッド・ジョージ氏のベスト・ワークではないだろうか。氏も本作をお気に入りに挙げている。しかし、映画自体は駄作だったのが、なんともはや残念である。 |
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