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モンスター・メイカー
THE MONSTER MAKER

米 1944年 62分
監督 サム・ニューフィールド
出演 J・キャロル・ネイシュ
   ラルフ・モーガン
   グレン・ストレンジ
   タラ・ビレル


 ロンド・ハットンという俳優がいる。『HOUSE OF HORRORS(TV放映題『殺人鬼の巨像』)』と『THE BRUTE MAN』という2本の恐怖映画(1946・監督はいずれもジーン・ヤーブロー)に主演して強烈な印象を残した彼は、末端肥大症(acromegaly)だった(同年に死亡)。顔や手足が異常に大きかったために、ノーメイクでモンスター役が出来たわけだ。しかしそれにしても、病人をモンスター扱いとは酷い話である。
 この『モンスター・メイカー』はさらに酷い。末端肥大症患者全般をモンスター扱いしているのだ。人権意識の低い時代だからこそ出来た作品だろう。

 博士は小粋なストーカー。恋するあのコの父親に秘伝の血清を注射して末端肥大症にしてしまう。みるみるうちに、くりいむしちゅー有田と見紛うほどの大顔に成長したお父さま。すかさず博士は「お嬢さん、私が治して進ぜましょう」などと小粋に迫る。まったくふてえ野郎だぜ。

 脳天気なハッピーエンドにも呆気にとられる。患者の人権にまるで無配慮な作り手の姿勢には戦慄さえ覚える。

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