かつてはエンパイア・ピクチャーズ、現在はフルムーンに君臨するB級SFホラー界のプリンス、チャールズ・バンドによる、極めてインモラルな怪奇映画。
バンドはこれまで『グーリーズ』や『ドールズ』、『パペット・マスター』等、ぬいぐるみが悪さをする『グレムリン』もどきを量産してきた。その範疇の1本だが、このたびはなんとフリークス。ホルマリン漬けの標本奇形児4人衆が蘇り、大人たちに悪さをするのだ。あまりにもアレな設定に呆気にとられた。
しかし、さすがに無脳児やシャム双生児、水頭症といったリアルなものは登場せず、いずれも人間技とは思えない凄まじい造型。言葉を解する知能や、扉をこじ開ける腕力を有し、人類とは別種の怪物の如く描かれている。
物語がこれまたインモラルそのものだ。
人体標本売買を生業とするおねえちゃん、彼女は下水に棄てられた奇形児を仕入れて「奇形マニア」に高額で売り捌いていた。しかし、「二重売り」したために話はこじれ、2人の「奇形マニア」が、
「このベイビーは俺のだ!」
と「親権」を巡って争ううちにベイビーたちが蘇生して、愚かな大人どもをみな殺しにするのでありました。
ところで、片方の「奇形マニア」の召使いを演じるジャクリーン・ラヴェルという女優。最後にベイビーたちを退治する主役級でありながら、常時乳を出したままという変な役であったのだが、彼女の顔と乳には見覚えがあった。調べてみたら案の定、サラ・セント・ジェームスの名で知られる人気ヌード・モデルであった。映画に出る時はジャクリーン・ラヴェルの名前で出ているらしい。
加納瑞穂(AV女優)と草凪純(グラビアモデル)が同一人物であるようなものである。
|