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エリッヒ・フォン・シュトロハイム
ERICH VON STROHEIM
(1885-1957)

《主な監督作》
*愚なる妻(1921)
*メリー・ゴー・ラウンド(1923)
*グリード(1924)
*結婚行進曲(1928)


《主な出演作》
*大いなる幻影(1937)
*サンセット大通り(1950)



キートンも出ている『サンセット大通り』

 フランシス・フォード・コッポラ曰く、
「すべてが民主化されている現代で真の独裁者たりうる職業は、たぶん映画監督だけだろう」
 芸術家と崇められ、我を忘れて、金を湯水の如く蕩尽していた『地獄の黙示録』の頃の自分を自嘲的に語った言葉だが、黎明期の映画監督にも同じような人はいた。巨大なオープンセットでバビロンの都を再現したD・W・グリフィスや、その弟子のエリッヒ・フォン・シュトロハイムがその人だ。

 シュトロハイムの特徴は徹底したリアリズムだった。サイレント映画であるにも拘らず出演者に台詞を完璧に憶えさせ、ロケ地から遠く離れた鐘をわざわざ鳴らした。観客には聞こえる筈もないのに。見えないところにもいちいち気を配り、「ドイツ人の将校は絹の下着を身につけていることを自覚しなければならない」と下着まで限定し、禁酒法下であるにも拘らず本物のシャンパンを手配して出演者に飲ませた。モンテカルロのカジノをスタジオに完全に再現させたりもした。観客には見えないところに至るまですべて再現しなければ気が済まなかった。

 そんな彼が作る映画は、次第に長尺になっていった。『グリード』に至っては全42巻、9時間にも及ぶ超大作。このまま上映できる筈もない。バッサリと2時間余りにハサミを入れられて、ほとんど別の映画になってしまった。

 また、なにごとにも完璧を要求する彼はトラブルが絶えず、『クイーン・ケリー』などは主演のグロリア・スワンソンと意見が対立、製作中止となってしまう(ちなみに、この映画の出資者はジョン・F・ケネディのお父上、ジョセフ・ケネディである。彼はこのために80万ドルもの大金を失ったと云われている)。

『結婚行進曲』を最後にハリウッドから干された彼は、その後は性格俳優に転向。『大いなる幻影』や『サンセット大通り』でその姿を拝むことが出来る。
 特に『サンセット大通り』は必見と云えよう。かつて対立したグロリア・スワンソン主演のハリウッド内幕もので、シュトロハイムは皮肉にも、彼女の召使い役に扮している。


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