ハリウッド アメリカにおける当初の映画製作の拠点はニューヨークやシカゴ等の東部の大都市だった。そこではエジソンやバイオグラフ等の9社が16の特許を独占してトラストを結成していた。部外者は多額の特許料を支払わなければならなかったのである。そこでセシル・B・デミルやD・W・グリフィスといった独立系の映画製作者が眼をつけたのがロサンゼルス郊外のハリウッドである。ここならトラストの眼も届きにくいし、メキシコ国境が近いので、いざとなったら容易に逃げることが出来る。そして、何よりも気候が映画作りに適している。かくして非主流の映画製作者が続々とハリウッドに移住し、映画の都としての礎を築いていったのである。 なお、問題のトラストは1917年に連邦最高裁により解散を命じられたが、その時には既に映画製作の拠点はハリウッドに移っていた。 |