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壁の中に誰かがいる
THE PEOPLE UNDER THE STAIRS

米 1991年 102分
監督 ウェス・クレイヴン
脚本 ウェス・クレイヴン
出演 ブランドン・アダムス
   エヴェレット・マッギル
   ウェンディ・ロビー


『ツインピークス』の変な夫婦をつがいで移植し、パワーアップさせた気狂いドラマ。初見の当時も異常な映画だとは思っていたが、『ツインピークス』がなかったことになっている今改めて見ると、その異常性は更に際立つ(元ネタがなかったことになってしまったので、パロディ性が希薄となってしまったため)。

 スラムの地主、エヴェレット・マッギルとウェンディ・ロビーのカップルは、兄妹なのに夫婦である。代々近親相姦を重ねてきたようで、当然に血は汚れて、二人とも完璧な気狂いだ。近所の子供を誘拐しては「理想の我が子」に育てんとするも、意にそぐわないと舌を切り取り、地下室に放り込む。そんな不憫な子供が数十人。食事はどうやら共食いのようである。
 或る日、この屋敷に泥棒が入る。気狂い夫婦の防犯対策は万全で、飛んで火に入る夏の虫とばかりに虐殺し、その屍肉を子供たちにふるまう(写真下)。しかし、泥棒見習いの少年だけはなんとか逃げ延びる。そして、不憫な子供たちを助け出さんと、再び屋敷に忍び込むのであった.....。

 トンデモない映画である。
 こんなトンデモない映画でも、たとえ1週とはいえ興行成績1位をたたき出したのだから、『ツインピークス』人気さまさまだ。この夫婦が別のキャスティングだったら、こうは行かなかっただろう。
 とにかく、エヴェレット・マッギルとウェンディ・ロビーのコンビネーションの可笑しさで最後まで引っ張る映画である。「キャスティングの妙」を知る上で恰好の1本と云えよう。


 

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