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血まみれ農夫の侵略
INVASION OF THE BLOOD FARMERS

米 1971年 80分
製作 エド・アドラム
監督 エド・アドラム
出演 ノーマン・ケリー
   タナ・ハンター
   ブルース・デトリック


 レンタルビデオ黎明期の85年頃、不思議なビデオが店の棚に並んだ。タイトルは『血まみれ農夫の侵略』。ハーシェル・ゴードン・ルイスのスプラッターと共に並べられ、解説には「これはハーシェル・ゴードン・ルイスへの解答だ」とかいうようなことが書かれていた。パッケージ表は農夫が女を串刺しにしようとしているイラスト、そして、裏には3人の農夫が人肉をむさぼり喰っている写真があった。
 問題はこの写真である。そんなシーン、この映画には存在しなかったのだ。写真に釣られてビデオを借りた私は、狐につままれたような気分になった。あの写真はいったい何だったんだ?。
 思うに、このビデオを売らんかなと画策するビデオ会社(米日どちらであるかは不明)がデッチ上げたインチキ写真なのであろう。写っていた3人の農夫は、おそらくビデオ会社の社員である。当時は腹が立ったが、今思い出すに、そういう売り方もあるんだなあと感心している次第。


 そんなわけで、この映画をまともに評価するのもアホらしかった私であったが、数年前に予告編を見て「あれ?。結構面白そうじゃないか。こんなに面白かったっけ?」と思い、確認のために輸入ビデオを取り寄せた。
 かつては騙された悔しさから気づかなかったが、結構キてますよ、この映画は。悪魔的なカルトにハマった二人の農夫。知恵遅れなのか一言もしゃべらず、ニタニタニタと笑いながら村人を誘拐しては血を抜き取る毎日。セントバーナード犬と本気で喧嘩し、噛みついて殺しちまうのだから手に負えない。シャワーを浴びるおっさんを襲うという、お色気的にまったくマイナスなシーンもあり。
 人喰いのシーンなんかなくても、この映画は十分異常だ。


 

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