リトル・ショップ・オブ・ホラーズ 米 1960年 73分 白黒(ビデオは着色カラー版) |
この映画、『血のバケツ』のセットを流用して、たったの2日間で撮影されたのだという。予算もたったの3万ドルで、いかにも「早撮りの倹約家」ロジャー・コーマンらしい作品である。彼は本作をもっと誇りにしてしかるべきであるが、当人はというと、 「こんなに奇抜で変わった映画には平凡な成功は似合わない。大ヒットか大失敗のどちらかでなければならない。3万ドルの経費を埋めて少々の利益が残ったというだけではガッカリする」 などとボヤいている。あんた、たったの2日で撮った映画がペイしたんだから満足しなさいよ。 「3千万ドルの予算で製作されたリメイク作品は、興行的にはかなり成功したにもかかわらず、収支は赤字だった。利益などなかった。ハリウッドの大作にはよくあることだ。莫大な売上げがあっても、製作費が膨大すぎてそれを埋めることなどできないのだ」 と、我らがロジャー・コーマンはあくまでもそろばんずくの商売人なのであった。彼が大作を絶対に撮らない理由がよく判る。彼はたった3万ドルの投資で巨万の富を生む映画を作ることができるのである。 本作は登場人物がすべて変人という、画期的なブラックコメディであることは云うまでもないだろう。リメイク版ではビル・マーレーが扮した「マゾヒストの歯科医の患者」を、若き日のジャック・ニコルソンが怪演していることでも知られている。 |
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