発狂する唇 日本 1999年 82分 |
脚本が『女優霊』や『リング』の高橋洋なので、これもホラーかと思ったら大間違い。しっちゃかめっちゃかのモンド・ムービーでありました。 少女連続殺人の容疑で指名手配されている男の家族=母と2人の妹は今日もマスコミの非情な取材攻勢に耐え忍んで暮らしていた。そんな中、末の妹の三輪ひとみが兄の居場所の探索を胡散臭い霊媒師に依頼。被害者たちの霊を四十九日前に呼び出したことから、彼らの生活が次第に狂い始めた.....って、こんなあらすじ、書くだけ無駄である。伏線らしきものはすべてうっちゃられて、物語はあさっての方角に飛んでいってしまうからだ。 高橋洋は『映画秘宝』誌インタビューで「新東宝の線を狙った」というようなことを語っていた。たしかに、この胡散臭さは新東宝のものだ。しかし、それよりも「中学生の映研映画」に例えた方がしっくりくる。エロありグロあり唄ありカンフーあり。中坊の好きなものをすべてブチ込み、ドロドロに煮込んだ闇鍋映画。いい大人がよくもまあこんなものを真剣に作ったもんだと呆れる。 特筆すべきは栗林知美の怪演であろう。自称FBIのルーシーは、金髪だがわざとらしい英語を話す。「本当にアメリカ人かよ?」と疑いたくなる怪しい女だ。機関銃片手にアメリカ国歌を高らかに歌う様には圧倒されるが、三輪ひとみのアナルを犯した下元史朗に強姦された上に金髪の頭皮をはがされる。 とにかくめちゃくちゃなので、真面目な人が見ると腹が立つこと必至である。 |