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アイダホ・ポテト・ライブ
GROOVE TUBE

米 1973年 74分
監督 ケン・シャピロ
出演 ケン・シャピロ
   リチャード・ベルザー
   チェヴィー・チェイス
   ジェニファー・ウェルズ
   マリー・メンダム


 

 今から16、7年前にCICビクターからリリースされた「元気が出るパロディビデオ」シリーズ計3本。共通 マスコットはチンポコを擬人化した「シモネタ君」で、私は以下の順番に見た。
 まず、『ケンタッキー・フライド・ムービー』。我が国でも『下落合焼き鳥ムービー』なる亜流品を産み落としたこの作品、かなり期待して見たのだが、ギャグがあまりにも幼稚すぎて、今一つピンとこなかった。
 続いて『ドムドム・ビジョン』。これは輪をかけてシドかった。時事ネタや差別ネタが目立ち、何が面白いのかさっぱり判らない。
 最後に頼むぞ『アイダホ・ポテト・ライブ』。しかし、邦題が邦題なので、大して期待せずに見たら、これがどっこい大当たり。なかなか見どころのある作品であった。
 見どころがあるのも道理で、本作は『チャンネル・ワン』という大当たりしたレビューの映画化で、あちらでは「TVパロディ映画の元祖」としてカルト化している作品だったのである。
 コンテンツをいくつか紹介してみよう。


 まず、トトというピエロが出演する子供番組。
「さあ、子供の時間だよ!」
 と、大人を居間から退場させた後、トトは子供たちにエロ小説を読んで聞かせる。今日のリクエストは有名な発禁文学『ファニー・ヒル』だ。そして、番組の最後に警告。
「先日、親と一緒にこの番組を見た者がいる。局に通報されて冷や汗をかいた。いいかい。この番組は絶対に親と一緒に見ないこと。でないと打ち切りになってしまうぞ。いいねッ」

 続いて、TVクッキングのコーナーである。しかし、担当のオバハンがえらく不器用で、ナレーションに追いつかない。料理の中にナイフを入れたままでオーブンに入れ、挙げ句の果てに皿まで割ってしまう(写真上)。この可笑しさは言葉での説明不可能だ。実際に映像を見てもらうより他にない。

「ウラヌス」という化学会社のCMはかなりショッキングである。新開発の「ブラウン25」はウンコにそっくりだが、ポリエステルにも負けない強度を誇り、栄養価はビーフシチューに匹敵する(写真中)。まさに驚異の新素材であるが、この「ウラヌス」という会社、環境破壊も著しく、工場廃液をたれ流して川を死滅させている。そこで、この死の川の映像をバックにキャンペーンCM。
「私たちは責任の重さを痛感し、せめてもの償いにと100万ドルをかけた研究の結果、このキャンペーンCMを打つことにしました」
 おい。CMだけかよ。

 監督であるケン・シャピロ自らが演じるニュースのコーナーは、内容自体は時事ネタなのでそれほど面白くないが、ラストは特筆の値する。
「それでは、みなさん。おやすみなさい」
 と、キャスターが締め言葉を云った後も、カメラはCMに行くことなく、執拗にキャスターの姿を撮り続けるのだ。戸惑うキャスター。この後、約5分に渡りシャピロの無言の一人芝居が堪能できる。最高に可笑しいが、これも実際に映像を見てもらうより他にない。

 さて、最後に保険衛生のコーナーだが、性病の恐ろしさを説明するこの男、顔がチンポコである(写真下)。よ〜く見ると、本物のチンポコである。頭がタマタマ、鼻が亀頭部に該当する。
 と、ここで判る人には判ったかと思うが、前述の「シモネタ君」の正体はこれなのであった。


 

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