血のバケツ 米 1959年 66分 白黒 |
恐ろしくグロテスクな映画である。 チビでノロマのウォルターは、ビート族がたむろするカフェで働きながら、いつの日か彫刻家になることを夢見ていた。或る日、偶然に大家の飼い猫を殺してしまった彼は、証拠隠滅のために屍体を粘土で固めて「死んだ猫」という作品だと称してカフェに持参する。ところが、これが大評判を取り、一夜にして彼は大スター。 私が最もゾッとしたのは左下の写真のシーンである。カフェの経営者は「死んだ猫」から本物の猫の毛がはみ出しているのを発見し、 ちなみに、この映画、たった5万ドルの予算で、わずか5日間で撮影されたものだという。コーマンの倹約ぶり、早撮りぶりには毎度のことながらも驚かされるが、さらに驚くべきことに、このセットを流用して撮影されたのが、後にミュージカル化された『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』。撮影日数はたった2日だったという。つまり彼はたったの7日間で、今日もなおカルトな人気を誇るブラックコメディ2本を製作してしまったのである。彼が「帝王」と呼ばれる由縁である。 |
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