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アメリカン・ウェイ
THE AMERICAN WAY
RIDERS OF THE STORM

英 1986年 104分
監督 モーリス・フィリップス
脚本 スコット・ロバーツ
出演 デニス・ホッパー
   マイケル・J・ポラード
   ユージン・リピンスキ
   ジェームズ・オーブリー
   ナイジェル・ペグラム


 ブッシュ再選ということで、今宵はこの映画を合衆国市民に贈ろう。『アメリカン・ウェイ』だ。

 ベトナム戦争当時、TVメディアでゲリラ戦を遂行する特殊部隊がいた(大嘘)。それが彼ら「SM-TV」である。船長デニス・ホッパーを筆頭にマイケル・J・ポラード等、かつてのニューシネマで見たことがあるような連中で組織されるこいつらは、86年になってようやく戦地から帰還した。ところが、カウンター・カルチャーもヒッピーも死滅したアメリカは大きく右に舵を取り始めていた。そして、今まさにサッチャーさんもびっくりの「鉄の女」が大統領になろうとしている。彼女が当選すれば戦争は必至だ。そうはさせてなるものかと「SM-TV」のボンクラ、否、精鋭どもは、ポンコツのB-29で全米を縦横無尽に飛び回り、最後のゲリラ戦に挑むのであった。

 時はレーガン政権であり、その右寄りの傾向に一石を投じた作品である。ラストで勝利したホッパー船長が大統領選への出馬をほのめかす。彼がなったらなったでトンデモない世の中になるんだろうなあ。でもまあ、レーガンよりましかなあ。それもまた面白いかなあ、と思わせて幕を下ろす。

 あれから20年が経った。スケベ人間クリントンを挟んで、バカ猿ブッシュが親父の続きを始めて大失敗している。イラクは第二のベトナムをなりつつある。今、我々が必要としているのは、ケリーでもなく、マイケル・ムーアでもなく「SM-TV」なのではないか?。
 ホッパー船長、出陣の時ですゾ。

 さあ、諸君。戦争映画はどうでもいいから『アメリカン・ウェイ』を観るのだ。


 

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