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S.H.E./クレオパトラ・ジャガー
S.H.E.

米 1980年 96分
製作 マーティン・ブレグマン
監督 ロバート・ルイス
脚本 リチャード・メイボーム
出演 コーネリア・シャープ
   オマー・シャリフ
   アニタ・エクバーグ
   ロバート・ランシング


 劇場で公開された当時は、上のポスターにかなりそそられたが、邦題がいかにもバッタもんなんだな、これが。『クレオパトラ・ジョーンズ』と『黒いジャガー』を掛け合わせてみました的な安直さとセンスの古さ(共に70年代前半の作品だ)に作品の質の高が知れる。内容もスパイものであり、あのなあ、もうスパイ映画は本家の007を除いて全滅しているんよ。そんなわけで観ないでおいたが、根が大変スケベエな私はポスターのあのコが忘れられずに、心残りとなっていたのであった。バカヤロ様だね。
 で、先日、古本屋でビデオを見つけて、なにか昔の彼女に再会した気分になり(観てないのにな)、だまされたと思って観てやった。

 だまされたあ。

 全然こんなコとちゃうやん。愛嬌ゼロ、お色気ゼロ、演技力ゼロの三重苦で、顔はデビ夫人によく似ている。よくもまあこんな無愛想の棒読みで主役を張れたもんだと感心する。ひょっとしたら、製作者のこれ(小指を立てつつ)だったのではないだろうか?。


 しかし、悪役は異常に豪華で、ドクトル・ジバゴことオマー・シャリフに、フェリーニ映画でお馴染みのアニタ・エクバーグ。共に旬は過ぎているとは云え、政治力がなければこの配役は出来ませんゾ。それから、悪の元締めのおっちゃんに見覚えがあって、はて、誰だろうと考えたら、『4Dマン』で「よだれの糸」を披露し、『ザ・ネスト』ではゴキブリに寄生されていたロバート・ランシングだった。

 脚本は本家007シリーズのリチャード・メイボームだが、この当時はサラ金に借金があったのではないだろうか?。監督は聞いたこともない人で、先ほど調べたらTVM専門の人だった。
 製作のマーティン・ブレグマンは『セルピコ』に始まり『狼たちの午後』『スカーフェイス』『シー・オブ・ラブ』『カリートの道』とアル・パチーノの代表作を輩出している方であり、最低映画館などに顔を出してはいけない人物。やはり、これ(小指を立てつつ)のために作ってあげた作品だったか?


備考

 本作はTVシリーズのパイロット版として製作されたものらしい。結局、どの局にも売れなかったので、仕方なく劇場公開したのだろうが、金を払う客に対して失礼な話だ。


 

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