エクスタミネーター 米 1980年 101分 |
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ニューヨークを拠点にした映画作家は、例えば、アンディ・ウォーホール一派やジョン・カサベテス、デビッド・バーンのようなアート系が多い。しかし、ラリー・コーエンやウィリアム・ラスティグ、フランク・ヘネンロッターのようなゲテモノ系も存在していて、その一派を束べているのがジェームズ・グリッケンハウスなのである(彼は上記3監督のプロデューサーなのだ)。いわば「NY鬼畜映画の首領」である。 物語は明らかにブロンソン主演『狼よさらば』のエピゴーネンで、オリジナリティのかけらもないが、残酷な処刑シーンが大いに話題となり、世界中で大ヒットした。 ベトナムから帰還した主人公は、戦友がチンピラに半殺しにされたことに憤り、世直しをモットーにする「エクスタミネーター=処刑人」になることを決意。そのチンピラどもを始めとして、次々と「社会のダニ」を抹殺していく。 この主人公を演じるのがロバート・ギンティ(写真下)。タレ眼で下ぶくれのその顔はポール・マッカートニー+宍戸錠という、極めて日本人に馴染みの深いものである。渋谷陽一にも似ていると噂される彼の声の吹き替えは、なんとあの「ベンチがアホやから」発言で追放されたばかりの江本孟紀であった。 註1 最低映画館に頻繁に登場する『独占女の60分』は、かなりの長尺で新作映画(ゲテモノが多い)を紹介するので、我々の間では要チェックの番組だった。『デアボリカ』も『サスペリア』も、みんなここで初めて観て驚いた。 |