キラー・エリート 米 1975年 116分 |
テレビでいきなり「へっぽこ忍者」のシーンから見てしまったために、これまで改めて観ることのなかったこの映画、ビデオ屋でなんときなしに眼に止まってしまい、自虐的な気分で借りてみた。サム・ペキンパーの信者からも「ペキンパー唯一の駄作」と忌み嫌われているだけあってシドイ、シドイ。正真正銘の最低映画である。 ジェームズ・カーンとロバート・デュヴァルの「ゴッドファーザー義兄弟コンビ」は、この映画でもコンビを組んでCIAの下請けの殺し屋家業を勤しんでいる。ところが、ロクに活躍もしないうちにカーンはデュヴァルに裏切られ、利き腕片足をオシャカにされちまう。 カーンは早速、仲間を呼び寄せるが、これがガン・マニアのボー・ホプキンスとタクシー運ちゃんのバート・ヤング。片輪にキチガイにデブったおっさんトリオのどこが「キラー・エリート」かと小一時間問いつめたい。 で、ようやく例の「へっぽこ忍者」のシーンである。ペキンパーお得意のスローモーション撮影が駆使されておるが、短刀で襲い掛かる忍者軍団をウージーでバババババンと皆殺しする様にはカタルシスのかけらもない。「大人気ない」が最も適切な修辞である。 「ひでえ脚本だなあ。誰が書いたん、こんなの」と調べてみると、なんとブルース・リーの弟子にしてマブダチのスターリング・シリファント!。こいつ、師匠の教えがまるで判っていなかったのだ(笑)。 で、この映画の中で一番カッコいいのは、実は、一番冴えない風貌なのにソツなく仕事をこなすバート・ヤングだったりする。 |