1985年から86年にかけて、ジョージア州アトランタで黒人男性の殺人事件が相次いでいた。
リチャード・ウィリアムス(?)
アルヴィン・ジョージ(31)
ジェイソン・マッコーリー(18)
カーティス・ブラウン(21)
ジョージ・ウィリンガム(?)
ダリル・ウィリアムス(21)
遺体はいずれもパンツを下ろした状態で発見された。つまり、男色行為を強要されていたのだ。そして、その後に後頭部を銃で数回撃たれていた(但し、ジェイソン・マッコーリーだけは背中をナイフで刺されていた)。弾道検査によれば、リチャード・ウィリアムスとカーティス・ブラウンの殺害に用いられたのは同じ銃だった。故に一連の事件は同一犯の犯行と見てよいだろう。
カーティス・ブラウンの件に関しては目撃者がいた。酒場の従業員が「ビッグ・マイク」と呼ばれる巨漢の黒人常連客とブラウンが共に店を出るところを目撃していたのだ。その「ビッグ・マイク』の正体が、体重135kgのマイケル・テリー(26)だった。
逮捕されたテリーはこのように弁明した。
「性行為はすべて合意の上でした。その後に、私が恐喝されたんです。あれはすべて正当防衛だったんですよ」
この主張は通らないわな。135kgの「ビッグ・マイク』が被害者である筈がない。
結局、マイケル・テリーはリチャード・ウィリアムスとカーティス・ブラウンの2件で起訴されて有罪となり、仮釈放なしの終身刑を宣告された。
(2012年12月13日/岸田裁月)
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