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ウィリアム・サフ
William Suff (アメリカ)



ウィリアム・サフ(左)

 1950年8月20日生まれのウィリアム・サフは、1974年にテキサス州フォートワースにおいて、妻のテリルと共に2歳の娘を殴り殺したかどで有罪になったという素晴らしい経歴の持ち主である(←もちろん皮肉)。70年の懲役刑が下されたが、僅か10年で釈放された。カリフォルニア州リヴァーサイド郡で売春婦が続々と殺され始めたのは、その2年後のことである、彼女たちは時には絞め殺され、時には刺し殺され、時にはバラバラにされていた。

 サフの逮捕は全くの偶然だった。1993年1月15日、交通検問を行っていた警官が、サフが仮釈放違反でテキサス州から指名手配されていることに気づき、身柄を押さえて車内を捜索したところ、殺人事件と結びつく物的証拠を発見したのだ。
 サフの逮捕は隣人や職場の同僚たちを大いに驚かせた。礼儀正しく真面目な男だったようだ。ところが、彼にはもう一つの顔があった。まさに現代のジキルとハイドだったのである。

 サフが勤めていたのは郡の備品管理事務局だった。つまり、彼は己れの事件を捜査している警察署に椅子やら机やらを届けていたのだ。
 また、彼は警察官の制服マニアとしても知られていた。警察官のコスプレで近所を練り歩いていた。
警察署のレクリエーションにおいて、自慢のチリ料理を提供したこともあったという。
 なお、米ウィキペディアには、サフが「リヴァーサイド郡チリ料理コンテスト」で優勝した時のチリ料理には、被害者の乳房が使われていたとの記述があるが、これはおそらくガセだろう。

 結局、サフは12件の殺人容疑で有罪となり、死刑を宣告されたわけだが、少なくとも22人は殺したと信じられている。犯行の期間を考えれば、それぐらい殺していてもおかしくない。

(2009年12月2日/岸田裁月) 


参考資料

『連続殺人紳士録』ブライアン・レーン&ウィルフレッド・グレッグ著(中央アート出版社)
http://en.wikipedia.org/wiki/William_Suff


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