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ケネス・アースキン
Kenneth Erskine
a.k.a. The Stockwell Strangler (イギリス)



ケネス・アースキン

 1986年4月から7月にかけて、ロンドン南部のストックウェルでは「ストックウェル・ストラングラー」と呼ばれる連続殺人犯が暗躍していた。その手口はいつも同じ。鍵のかかっていない窓から侵入し、被害者を絞殺した後に姦淫して、金目の物を奪うのだ。被害者がいずれも老人だったことから、有名な「ボストン・ストラングラー」が連想されるが、本件の場合はなんと、男も被害者に含まれていた。しかも、男4:女3って、おい! お前は穴なら何でもいいのか!?

 最初の被害者、アイリーン・エムズ(78)の遺体は1986年4月9日に発見された。ベッドの上で布団がかけられた状態で発見されたため、当初は自然死だと思われていた。ところが、室内を見回したらテレビがない。そこで初めて強盗の仕業と判明した。その上に姦淫までされていたってんだから、酷えことするヤツがいるもんだと呆れ返った次第である。

 6月9日はジャネット・コッケット(67)が犠牲になった。
 6月28日には隣同士の部屋に住む2人の老人が犠牲になった。ヴァレンタイン・グライム(84)とズビグニュー・ストラバーヴァ(94)。このたびは共に男である。それでも犯人は2人のアナルを犯していた。なんてぇこったい、べらぼうめ。いよいよ犯人の鬼畜っぷりが顕著になった。

 7月8日に襲われたウィリアム・カーマン(84)もまた男だった。
 7月20日に襲われたウィリアム・ダウンズ(75)もまた男だった。
 ええぇ〜? 4連チャンで男ぉ? しかも、おじいちゃんだからね。ここまでマニアックだと、もうワケが判んないよ。

 7月22日に襲われたフローレンス・ティズドル(83)は女なのでひと安心、って岸田くん。些か不謹慎ではないかねキミィ。現に人が死んでおるのだぞ!
 はい。確かにその通りなのですが、犯人の余りの無軌道ぶり故に調子に乗ってしまいました。誠に申し訳ありません。

 さて、ここでようやく警察は、被害者宅に残されていた掌紋から犯人を特定する。ケネス・アースキン(24)。強盗の前科がある黒人だ。彼を取り調べたことのある捜査官は、アースキンが11歳ほどの知能しかない知的障害者であることを憶えていた。なるほど。だから穴なら何でもよかったのだ。これで得心した。

 ところが、犯人は特定できたものの逮捕はままならなかった。というのも、このアースキンなるアンポンタンは定住しない浮浪者だったのだ。あっちへふらふら、こっちへふらふらと、ストックウェル周辺をふ〜らりふらふら風来坊だったのである。これでは逮捕しようがない。
 はて、どうしたものかと思案して、彼について調べてみたら、なんとこの野郎、働く意欲もないクセに、失業給付金を受け取っていやがった。ならば来月も必ず受け取りに来る筈だ。かくして間もなくアースキンはキーワース・ハウス社会福祉局で逮捕されたのだった。

 とにかく性欲の歯止めが利かない男だったようだ。法廷でもズボンの上からチンチンをイジイジしていたという。結局、7件の殺人容疑で有罪となり終身刑。少なくとも40年は仮釈放を認めるべきでない旨が付言された。
 なお、アースキンにはこの他にも4件の殺人が疑われているが、証拠不十分なために、これらについては不問とされた。

(2009年11月30日/岸田裁月) 


参考資料

『連続殺人紳士録』ブライアン・レーン&ウィルフレッド・グレッグ著(中央アート出版社)
『世界犯罪クロニクル』マーティン・ファイドー著(ワールドフォトプレス)
http://en.wikipedia.org/wiki/Kenneth_Erskine


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