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アルバート・ドライデン
Albert Dryden (イギリス)



アルバート・ドライデン

 とりあえず「Googleマップ」で以下の住所を検索してみる。
「Butsfield, Durham, England, UK」
 本当に何にもないなあ。家は数軒しか見当たらない。付近一帯は牧草地である。こんな牧歌的な土地で20年前に殺人事件が発生した。「ウソだろ!」ってなもんだが事実である。しかも、その一部始終はビデオカメラに収められていたのだ。

 イングランド北東部、ダラム州バッツフィールド在住のアルバート・ドライデン(52)は地元の役人と揉めていた。「景観を害する」との理由で建物の建築が禁止されている場所にバンガローを建てようとしていたのだ。ドライデンは抗議した。
「公道からは屋根しか見えねえじゃねえか!」
 だが、それでも「景観を害する」らしい。ならば屋根が見えないようにしようとドライデンは穴を掘った。その上にバンガローをこさえて屋根を見えなくしようとしたのだが、役人はそれもダメだと云う。

 1991年6月20日、地元役人のハリー・コリンソン(46)は警官やBBCの取材班を従えて強制撤去に踏み切った。ドライデンはこれに抵抗した。やおらに銃を取り出すと、コリンソンの胸に2発、倒れたところで頭に1発の銃弾をお見舞いしたのである。
 この一部始終はBBCのカメラマンが撮影していた。ドライデンが銃を取り出したところで、コリンソンは取材班に云った。
「あの銃を撮影しろ!」
 カメラがドライデンにパンすると、彼はコリンソンに目掛けて発砲した。
「ウソだろ!」
 撤去班や取材班、警官までもが慌ててその場から逃げ出した。ドライデンはその後も発砲を続け、結果、警官1人とBBCのレポーターが負傷した。
 ちなみに、左の写真はひとしきり撃ち終えた後に銃弾を装填する姿である。

 終身刑を宣告されたドライデンは今もなお檻の中にいる。人を殺めてまで、そして、その報いとして自由を奪われてまでバンガローを建てたかった男、アルバート・ドライデン。彼の名は今後も末永く笑いものになることだろう。

(2011年1月15日/岸田裁月) 


参考資料

『世界犯罪クロニクル』マーティン・ファイドー著(ワールドフォトプレス)
http://en.wikipedia.org/wiki/Butsfield
http://www.users.on.net/~bundy23/wwom/dryden.htm
http://www.bushywood.com/albert_dryden_shooting_incident.htm


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