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ブラウンズ・チキン事件
The Brown's Chicken Massacre (アメリカ)



犯行現場

 1993年1月8日夜、イリノイ州シカゴ近郊のファストフード・チェーン店『ブラウンズ・チキン&パスタ』に強盗が押し入り、7人の従業員を殺害した。

 リチャード・エーレンフェルト(50・店長)
 リン・エーレンフェルト(49・リチャードの妻)
 グアダルーペ・マルドナード(46・料理長)
 トーマス・メンズ(32)
 マーカス・ネルセン(31)
 マイケル・カストロ(16・アルバイト)
 リコ・ソリス(17・アルバイト)

 彼らはいずれも冷凍室の中で射殺されていた。
 事件が発覚したのは、深夜になってもアルバイト学生が帰宅しないことに心配した両親が警察に通報したことが切っ掛けだった。パトロール中の巡査が現場に急行したところ、店の明かりは点いたままで、裏口のドアが開いていた。そして、冷凍室の中で7つの遺体を発見した次第である。なお、店舗の住所は以下の通り。
「168 W. Northwest Highway, Palatine, Illinois」
 現在は取り壊されて、別の店になっているようだ。

 被害者に客が1人もいないことから、犯人は閉店時間の午後9時過ぎに押し入ったものと思われる。そして、従業員を殺害した後、その日の売り上げ(少なくとも2000ドル)を奪って逃走した。
 たかが2000ドル、されど2000ドルである。僅か2000ドルのために7人もの尊き命が奪われたのだ。市民の怒りは爆発したが、犯人は杳として知れなかった。私が参考にした文献は1995年の出版なので、本件は未解決事件として扱われている。

 捜査が進展したのは9年後の2002年3月のことだった。或る女性が当時の恋人ジェイムス・デゴースキとその友人のフアン・ルナが犯人であることを警察に告白したのだ。両者には『ブラウンズ・チキン&パスタ』でアルバイトをしていた経歴があった。また、犯行現場には食べかけのチキンが残されていたが、それに付着していた唾液のDNAが彼らのものと一致した。かくしてルナは2007年5月に、相棒のデゴースキは2009年9月に有罪が評決されて、終身刑を云い渡された。共に再審を争っているようだが、認められる可能性は低いだろう。

(2011年2月6日/岸田裁月) 


参考資料

『THE ENCYCLOPEDIA OF MASS MURDER』BRIAN LANE & WILFRED GREGG(HEADLINE)
http://en.wikipedia.org/wiki/Brown's_Chicken_massacre


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