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マーク・チャップマン
Mark Chapman (アメリカ)



根本敬氏が描いたチャップマン

 ジョン・レノンが殺された時、私は中学3年生だった。リリースされたばっかりの『スターティング・オーヴァー』B面収録の『キス・キス・キス』がエロいということで、私もシングル・レコードを買ったばかりだった。クラスでは『キス・キス・キス』でオナニーできるか?」が話題の真っ只中であっただけに、レノンの突然の死には仰天した。

 ちなみに、私は一度ほどしていた。

 その晩の『オールナイト・ニッポン』はえらい騒ぎであった。特に、内田裕也がへべれけでワケが判らないことを叫んでいたのが印象に残った。それからしばらくして『吉田拓郎のオールナイト・ニッポン』の軽率なディレクターが「吉田拓郎追悼番組」をでっち上げて、クレームがニッポン放送に殺到した。面白がった『タモリのオールナイト・ニッポン』が「ディレクターが始末書を書くまで」を報道したほどである。イエロー・マジック・オーケストラの『増殖』ではないが、
「日本は、いい国だなあ」
 と呆れたものである。

 とにかく、マーク・チャップマンという男がジョン・レノンを殺し、我々の夢を奪ったのである。もう『キス・キス・キス』ではオナニーはできない。
 たまには、こんな不真面目な項があってもよいだろう。
(というか、こいつに関しては、書く気がしない)

 なお、1989年にフェントン・ブレスラーという弁護士が『誰がジョン・レノンを殺したか?』という本で陰謀論を展開し、世間の失笑を買った。彼が云うにはレノンは政府に暗殺されたのだそうだ。レーガン政権が樹立されたばかりの当時、100万人規模のデモを組織できるのはジョン・レノンだけだった、というのがその論拠であるが、当時のレノンの腑抜けぶりを知っていれば暴論であることは明らかである。
 死後、発表された未発表曲は『Grow Old With Me』である。レノンは「家族円満路線」にシフトしていたのだ。


参考文献

なし


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