6.水中でのカメラの構え
水中では撮影に必要なポジションを予測して行動する。
 水中では素早く適切なポジションを予測し、その場所に移動する。その為には、イルカの動きを見ているだけではダメ。イルカはウォッチャーの動きを読んで動いているので、撮影者はイルカの動きとウォッチャーの動きの関係を見極めて最適な位置に移動するのだ。イルカの動きに合わせて泳いでいたのではすでに遅いのだ。こんな時に大きなハウジングは、船から飛び込んだが最後、移動には大変な労力が伴う。

カメラを持って潜る方法
 NIKONOS Vは肩からタスキ掛けにして背中に担いでしまおう、水面移動の際も、ストラップをたすき掛けにしてカメラを背中に乗せてしまうと楽に泳げる。ジャックナイフで潜るときは、そのまま潜ると背中のニコノスが後頭部に落ちてきてぶつかってやや痛い。潜るときは胸の前のストラップをギュッと体から離す方向に引っ張り、ニコノスを背中に密着させれば、背中のニコノスが後頭部にぶつかることもない。


カメラの構え

 シャッターを切るときはフィンワークは止めて、両手でカメラをホールドして撮影しよう。でも決して一眼レフの様にレンズを左手で持たないこと。NIKONOS V はレンズを引っ張るとレンズのロックが外れる。その状態でレンズが回ってしまうと水没してしまうのだ。両手でボディーを持つようにしよう。(Sea&Seaのニコノス用レンズの方が比較的抜けにくい構造だ。)それとファインダーを覗く時に片目をつぶったりしないように。ファインダーを見ていない方の目は、周囲の安全確認の為に開けたままにしておこう。

ワンポイント:一眼レフカメラをハウジング(防水ケース)に入れて撮影をしようとすると、大きくて重たいので水中で移動するのに大変だ。オートフォーカスも手動に切り替え、マニュアル・フォーカスにし、広角レンズを使って幅広い被写界深度を得た上で撮影するしかないので、結局NIKONOS V と同じ状態に近づけて撮影することになる。オートフォーカスを利用して撮影しようとすると、激しい動きは撮れないので、移動中でしかもフォーカスが働く明るい水深で、まったり移動しているイルカなどをねらい撮りすることになり、どれも似てしまい、絵はがきに良くある単調な写真になりがちだ。