6.フィルムを交換する。
フィルムの交換は陸上で!

 フィルムの交換をついついボートの上でやりたくなってしまいます。でもボートの上でのフィルムの交換はお勧めできません。カメラは精密機械ですので、カメラの内部に塩水が入ると簡単に壊れてしまうからです。ウエットスーツの雫や、自分の髪の毛から滴り落ちる塩水でカメラ内部を濡らしてしまったりすると大変です。また船の上で、Oリングのゴミをきれいに取ったり、Oリング溝の海水をきれいにふき取ったりするのは至難の業です。フィルムは多めに入れて、撮り終わったら蓋を開ける前にそのままカメラを真水で洗い、よく水をふき取ってから乾燥させ、カメラの中に水が入らないようにしてからフィルムを巻き戻し、裏蓋を開けてフィルムを交換する必要があります。
 陸上でもできるかぎりほこりの少ない室内で行いましょう。Oリングにごみが付着したりすると水没の原因になります。
 
 Oリングを取り外す時はとがった物で突いたりしたら絶対にダメ。基本的には左の写真のように指で絞るようにしてOリングを浮き立たせて取り外す。
 フィルムを入れる際には、一緒にグリスもきれいにする習慣をつけよう。作業をする前には手をきれいに洗っておこう。Oリングを取り外し、レンズ用のペーパークロスで古いグリスを拭き取りましょう。古いグリスをそのままにしておくと固まりになって水没の原因になる。Oリングについた古いグリスやごみを取るには、新しいグリスをつけてOリング全体に満遍なく塗ってからふき取るときれいに取れる。Oリングにごみが付いているかどうかは目視しただけではだめ。新しいグリスをつけたら親指と人差指、中指の指先でOリングをゆっくりなぞってゴミがついてないか検査しよう。ゴミがついていたらもう一度レンズ用のペーパークロスでふき取り、グリスを付け直しましょう。
 Oリング溝の古いグリスも完全に取り除きましょう。溝の中は綿棒を使ってしっかりとふき取りましょう。
 忘れやすいのがOリングが接するボディー側の内面。この部分にゴミがついていたり、古いグリスが固まっていたりすると水没の原因になる。きれいに拭いておきましょう。


 フィルムの交換をしたら、ついでにレンズのOリングも掃除し、古いグリスを取り去って、新しいグリスをつけておきましょう。裏蓋だけのグリスを付け替えてもレンズの根元から水没してしまうことがあります。