1.イルカの写真を撮る方法

(1)イルカを撮るのに良いカメラは?
 定番のニコノスVと広角レンズ(20mm,16mm,15mm、フィッシュアイ)
 防水のコンパクト・デジタルカメラも増えてきた。デジカメを選択するときは、広角レンズであればあるほど良いが、スペックだけでなくシャッターボタンを押してからのタイムラグにも気を付けよう。マニュアルフォーカスがないとシャッターボタンを押しているのにオートフォーカスが働いて自動焦点が合うまでシャッターが切れず、撮りたいタイミングをはずしてしまった経験も多いはず。つまりマニュアルフォーカスや水中モードのような機能でピント固定になっているようなものが良いということになる。また高画質モードではデータの書き込みも長くなり、連続して単写ができないものには注意が必要だ。
 そういう背景もあり、動きの早いイルカを撮るにはやはりフィルムを使うカメラを使う人もまだまだ健在だ(2015年)。イルカを撮るフィルムカメラの定番といえば
NIKONOS V (ニコノス・ファイブ)と広角レンズのセットだ。

(2)イルカを撮るレンズは?
 初めて買うなら最低限イルカを写せる20mmレンズや、できれば15mm、16mmレンズ、さらに言うとかなり寄ってもイルカの全身をしっかりと写せるフィッシュアイ(魚眼レンズ)等の広角レンズとのセットで購入しよう。


 NIKONOS V は生産終了。代わる機種と言えば?
 ところがNIKONOS Vは、2002年に生産中止になりました。現在では中古カメラでしか入手ができません。現在のNIKONOS Vの35mmレンズ付の中古価格は5万円程度で、まだ都内でも中古カメラの店頭に並んでいることも多いが、20mmレンズはさすがになかなか見かけない。 デジカメなら焦点距離が20mm(35o換算)が目安で、一番のオススメはフィッシュアイだ。

 

 35mmレンズを買ってしまった人でも大丈夫
 NIKONOS Vを35mmレンズとの標準セットで購入してしまった人はがっかりせず、Sea&Seaのワイドコンバージョンレンズ(WCL-16)を35mmレンズの先に取り付けよう!するとナント!低価格で16mmレンズになります!ニコノスVは生産中止だが、Sea&Sea製ニコノス用コンバージョンレンズはまだ生産している。定価\27,800- (2003年3月現在) イルカの撮影をしてフィルムが余っても35mmがあれば陸上で残りのフィルムを使うことができて便利だ。逆にコストを抑えたい人は、初めからNIKONOS Vの35mmレンズ標準セットとワイドコンバージョンレンズを購入してしまうという方法があるだろう。このワイドコンバージョンレンズは水中でも取り外しが可能なので、ボートの上では記念撮影や島の景色を撮影し、海に入る時にはワイドコンバージョンレンズを取り付けて16mmレンズとして使うというのも賢い使い方だ。
 


2015年9月22日 フジカラー SUPERIA PREMIUM 400 F5.6 Auto 20mm NikonosV
色調補正なし(
Minoluta Dimage scan Dual 3 AF-2840)
雑誌記事は信用できるか
 マリン・フォト2003年4月号にはイルカの撮影が特集され、ニコノスVを使用した「置きピン」という技術の紹介があり、1mや2mにピントを固定させて、その距離にイルカが来た時に撮影するという方法が紹介されています。しかしこれは残念ながら少々現実的でないか、現実にはありえないと言ってよいでしょう。本当に置きピンの技法が必要となるケースは陸上兼用レンズ35mmを使用した場合のようにピントが合う前後範囲が狭いレンズを使った場合です。しかしそしてこのような置きピンが必要とされるレンズを用いて実際に記事で説明されているように1mに来たイルカを撮影しようとすると、実は顔すら画面に入りきれない状態になります。逆に広角レンズ20mm,16mm,15mm等を用いた場合は、1〜2mにピントを設定しておいても、1〜2mにイルカが来るまで待つ必要はありません。例えば20mmレンズを使用して1.5m/f5.6に設定したような場合は、約80cm〜11mの物は全てピントが合った状態になるからです。またピント3m/絞りf5.6に設定すると1.1m〜無限までの距離は全てピントが合った状態になります。
 このように35mmレンズのようなピントが合う範囲が狭いレンズのことを、写真の用語を使うと被写界深度の浅いレンズと言い、逆に広角レンズのように、ピントをある一点の距離に設定しておいても広い範囲の物にピントが合うようなレンズのことを被写界深度の深いレンズと言います。イルカのように動きが早くてピントが合わせにくい物には被写界深度の深いレンズを使ってピントを合わせる手間を省くのが効果的です。
読み方はニコノス・ブイではないのでご注意。ローマ数字ではTUVWXと言うふうに書くでしょ。(古い時計とかの文字盤に使われてたりする)