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旅する蝶 アサギマダラ
 蝶の中には海を渡って御蔵島に旅する蝶もいます。アサギマダラと言われる美しい蝶です。この蝶の旅路を研究するために、ボランティアが蝶の羽にマーキングをし、それがどこまで行ったかをアサギネットで報告しあい、旅路を解明する取り組みがなされています。
 御蔵島では生物の捕獲はできません。その為、自然観察のルールを守ってアサギマダラのマーキングを確認する方法としては、どこかに止まるまでじっと待って望遠レンズで遠くからマーキングを撮影する方法があります。最近のコンパクトデジタルカメラでも望遠で35倍を超えるものがあります。比較的容易に撮影することができます。2011年の10月にもアサギマダラが御蔵島に来てくれました。里から鳥の尾に行くまでの道のりで出会うことが多いようです。

 アサギマダラは夏から秋にかけて南下し、南西諸島や台湾にまで移動し、卵を生んで幼虫として育ち、そこで新しい世代がまた春に北上すると言われています。

 秋田県鹿角市で2008年8月にマーキングされたアサギマダラの個体が、その2ヶ月後の10月に御蔵島で再度観察されました。他のマーキングされた個体は静岡県や愛知県、そして高知県でも発見されたことがアサギネットで報告がありました。
御蔵島に渡ってきたアサギマダラ  2011年10月10日 (色調補正なし)マーキングなし
  アサギマダラはどうやって海を渡って来たのでしょうか。アサギマダラは海の上に着水することができるので、水面で休むことができると言います。。ただし風が強い広い海の1点の島に小さな蝶が到着するのは命をかけた渡航と言えるでしょう。
 マーキングされたアサギマダラ 2008年10月17日
御蔵島にて撮影しました。
 アサギネットにより秋田県鹿角市ふけの湯付近alt.1200mにて2008年8月17日にマーキングされた個体と確認されました。右の地図(秋田県鹿角市八幡平)→(御蔵島)は、このアサギマダラが移動した位置関係を示しています。.