御蔵島伝説

氏義神社縁起
 
 南郷橋を渡った橋の左側のたもとに少し開けたところがあり、そこにある崖のような急な斜面に細い山道がある。あまりにも急なので一本のロープが垂れ下がっておりロープを手繰りながら登ることができる。そこを登って行くと木の鳥居を見つけることができるだろう。そこが氏義神社だ。この神社は縁結びの神様と言われている。その起源は源平合戦のころにまでさかのぼると言われている。
 昔、源平合戦で平家が破れ、おそらく壇ノ浦の辺りからであろう大きな何世帯も住めるような平家の軍船が御蔵島の南郷に漂着したという。そこで崖の上から縄を下げて武将の奥方を助けたが、後からくる男どもは武装していたので、島の人は怖くなり、登ってきた男どもの縄を切って落として殺してしまったという。助かった奥方は夫の死を嘆いて自害したということである。そこで島の人はたいそう恐れ、二人をここに祀ったという。夫婦で祀ってあるため縁結びの神様と言われている。
氏義神社は南郷橋を渡ってすぐの山道を登ったところにある。大きな岩盤の下に祠がありそこに祭られている。
大きな岩盤の下の祠に祭られている。途中の鳥居から先は履物を脱いで参拝する。