御蔵島伝説

御前の根

 
稲根神社本殿の近くの海には幾つかの根(岩礁)が見られるでしょう。この根にまつわる言い伝えがあります。稲根神社の神様がこの岸にたどり着いた時に、数人の従者をつれていました。神様は1人でこの崖にあるハシゴのような岩(御橋)を登って行き、従者はそのままそこで待っていました。その時に、沖に汚れた人が通りがかったので従者やその馬はあわてて海に飛び込んだということです。そこでそのまま岩礁になってしまったのでした。馬は一番遠くに飛んで、それが横塚根になり、従者達は、手前に落ちて黒根やミナ根などになったということです。
御橋(はしご) 御蔵島にたどり着いた稲根神社の神様が登ったとされる階段状の岩盤。イルカウォッチングの際に通りがかることが良くある。
稲根神社の神様の従者の馬が海に飛び込んで岩となったとされる横塚根。