御蔵島伝説

忌の日の明神様の伝説(きのひのみょうじん)
 1月20日に御前に明神様が上陸すると言われています。そして赤い衣、鉄下駄の怖い形相をした明神様が、稲根神社本殿から神の道を通って里まで降りてきて、1月24日の夜になると里を徘徊するという伝説があります。1月20日から24日までの間、明神様は一日一日と里に近づいてくる為、人が近づいてはいけない結界も日ごとに里に近づいてきます。1月20日は稲根神社本殿まで来ており、この結界をアカイガワギリと呼び、ここまでは人が近づいてはいけません。同じように1月21日はテガキドギリ、1月22日はオバンノオギリ、1月23日はトリノオギリ、1月24日はウタズガワギリ(里稲根神社拝殿)が結界となりますので立ち入らないように注意が必要です。。そして1月24日の真夜中から25日にかけて明神様は里に入ってきて徘徊し、夜二時ころには各家に入ってきて、各家の神棚にアブラアゲ(一般的に言うアブラアゲではなくて、米粉で作った楕円形のダンゴ)があることを確かめにくるため、雨戸を少し開けておく必要があります。この日は「忌の日(きのひ)」と呼ばれ夜0:00以降は村の人もあまり出歩きません。そして25日の早朝には、里の崖下の大根が浜から船に乗って、神の集う島である神津島(神集島)に船出すると言われています。この日の朝は決して海を見てはいけません。早朝、神様が船出するところを見るとさらわれてしまうという言い伝えがあるからです。

忌の日の明神の出発地、稲根神社本殿。

明神様が上陸する御前の根