御蔵島の場所 


●御蔵島の場所
 東京竹芝桟橋から南約200km、三宅島の南18kmの海上に浮かぶ孤島。それが御蔵島。沖縄方面から流れてくる海流(黒潮:くろしお)が洗う大海原に、そびえたつ様に浮かんでいる東西5km.南北5.5kmの島だ。海の中は黒潮の影響で暖かく、亜熱帯の気候を有する。その為、海水の表面水温は高く、8月下旬で28〜29℃、9月〜10月でも23〜24℃と暖かい。この辺りの黒潮の流れは速く、黒瀬川と呼ばれ海の難所ともなっている。その反面、昔から関東より西の海上で遭難すると漂流して流れ着くことができる日本最後の砦がこの御蔵島、三宅島、八丈島の島々であったため、この地理的要因が「漂流した人々は必ず助ける」というヒューマニズムをこの島々にもたらした。

富士箱根伊豆国立公園
 御蔵島は伊豆七島に属しており、全島が富士箱根伊豆国立公園に指定されている。またオオミズナギドリの繁殖地としては日本最大の島として貴重な存在だ。特殊地形としては溶岩ドーム、海流「黒潮」によりできた東洋一の高さを誇る海蝕崖(黒崎高尾)、巨大な浸食カルデラ(川口の谷)などの貴重な地形が存在する。その他、高山植物と温帯植物が生育しているという珍しい環境や、日本一の大きさを誇るスダジイ(南郷)、ツゲ(御代ヶ池)などの巨樹、ハコネコメツツジの南限など、貴重な自然を抱えている。周囲の海はバンドウイルカの繁殖海域であり、子育てをする野生のイルカを観察することができる。鳥獣特別保護区。
伊豆七島の一つである御蔵島。伊豆七島は図のように大島、利島、新島、神津島、三宅島、御蔵島、八丈島の七島と、18世紀に新島と完全に分離した式根島とで構成されている。