1.御蔵島のイルカと泳ぐのに資格は必要ありません。
 御蔵島でドルフィンスイムをするのにダイビングのCカードやPADI等のドルフィン・スノーケラーの認定も必要ありません。御蔵島でイルカと泳ぐ為の資格は何もありませんので、便乗商法等にはご注意くださいね。イルカと泳ぎたい方の場合、ダイビングのCカードはしばらく取らず、スノーケルになれる練習をされることをお勧めします。(ダイビングのCカードを取りたいと思っている方でも、いきなりダイビングの講習を始めるよりも、スノーケリングの経験を十分にし、慣れてからCカード講習を受けるほうがダイビングも上達が早いですよ)。
2.スキューバダイビングとドルフィンスイムは別のもの
 どちらが難しいかと比較することもできません。スキューバ・ダイビング中は、水圧と同程度の圧力の空気を吸うことで肺がつぶれず呼吸できるようにしています。水中では長い時間滞在できるため、水中で無駄な動きをしても空気は十分あり何とかなってしまいます。ダイバーと称する人の多くはフィンワークが苦手な人も実際多いのです。大変危険なことなのに「泳げなくてもダイビングは出来る」と言って集客しているショップが多くあり、フィンワークを充分マスターしないでダイバーになっています。本来目的が違いますので、誤解がないように気をつけましょう。
3.御蔵島ではダイビングは禁止されています
 東京都の自然環境保全促進地域にしていされており、御蔵島で認定されたガイドの監視下でスノーケリングのみ許可されています。ダイビングは禁止されています。自然環境保全促進地域に指定される以前は、夜間に御蔵島周辺に船できてナイトダイビングをこっそりするダイビングショップなどや、ある静岡県の伊豆の田子港の有名ダイビングショップは安全性を無視して無許可でダイビングを行い、若い20代前半の女性ダイバーの左足をスクリューで切断した例もありました。近年のダイビング・ショップ、そしてスキューバ・ダイバーの安全性に対する考え方の見直しや、モラルも求められています。事故がおこると、事故に合われた方やご家族も、そしてウォッチングに関わるすべての人がとても悲しいです。

4.ドルフィンスイムのCカードは米国企業の商品
 イルカ記事があるとダイビング雑誌の販売数も増えるそうです。そこでPADIはドルフィン・スノーケラー・SPなどのカードや類似したカードがありますが、決して「資格」や「ライセンス」ではありません。誤解なく。
 
 
特記事項:2001年9月号(今月号)のとあるダイビング雑誌に、大きくイルカの写真と一緒に「イルカと泳ぐことはダイバーの特権」と大きく書かれている見開きページがありました。これは真実ではありません。御蔵島だけでなく、バハマ、モンキーマイヤー、小笠原、紅海ヌエバのイルカまでも全て素もぐりでアプローチするのでダイビングのCカードは必要がありません。
5.ダイビングとドルフィンスイムの練習は絶対に別の日に
 スキンダイビングはどんな場合でも潜水病にならないということを、ダイビングの講習で習ったと勘違いしてしまっているケースがあります。ダイビングに行った日に、ついでにドルフィン・スイムや、その練習の為に素もぐりの練習をしようと思っても、当然ですがしてはいけません。(皮膚に赤い湿疹のようなものができたり、痒くなったりしてませんか?指などの関節が痛くなったりはなかったでしょうか)

●それでもダイビングCカードを取りたい方へは以下のアドバイス
 
まず正しい知識を持とう。

 そこでお勧めの本はダイビング安全マニュアル
 ダイビング雑誌では言わないダイビングの実態を知っておきましょう。
 Cカードを取る前には、この本や中田先生のホームページを参照しましょう。
 (中田先生のホームページへのリンクは、先生に許可を頂きました。ありがとうございました。)

1.機材購入を義務づけるショップは即刻パスしましょう
 お金持ちはともかく、本当に続けられる人はごく一部です。ショップにとっては機材購入はオイシイからです。

2.レンタル機材がしっかりしたショップを選びたい。
 自分の機材に慣れることは上達への早道ですが、いきなり購入しても、元は取れません。使わなくてもレギュレターのオーバーホールに年1回、1万数千円がかかります。
 
3.ここで良いと決めても数件のショップを回ること。
 ショップに来たら、まず現在は数件のショップを回っていてまだショップを決めていない、あと数件回って決めるということを初めに言っておきましょう。これがポイントです。

4.金額が高すぎないこと
 学科講習、海洋実習、レンタル機材(全機材)、タンク代、施設使用料、教材、Cカード申請料を全て含めて、ざっくり5〜6万円が目安です。逆にそれ以下の場合は、本当にオープンウォーター(PADI)、あるいは1スター(CMAS)かどうか確認しましょう。


5.友人の話も鵜呑みのしないこと
 それと友人が行っているからといって、そのショップや友達の話を鵜呑みにするのは禁物です。その友人が騙されていることだってあります。またショップには優待制度があって、紹介者にリベートや優待券を渡す場合も実際に良く使われる手です。

6.最初はメールや電話でヒヤリング。行ったその日に契約しない。
 回っているうちに、目が肥えてきますので本当に初めての場合はできるだけたくさんのショップを回りましょう。そして良いショップにぜひともめぐりあってください。


 チェック項目
 (残念ながら良心的なショップというのは一握りだ。どんなに親切そうでも相手がねずみ講や悪徳商法に近いと思って接したほうが良い。おかしいと思ったら毅然とした態度で臨むことだ。)

機材は購入の義務がないことを確認する。ウエットスーツ、マスク、スノーケル、フィン、グローブも購入の義務がないことを確認すること。契約する前に必ず約束してもらいましょう。
海洋実習費を含めた講習料金を提示してもらういましょう。(海洋実習費は入ってませんと、後で言ってくる手口も以前よく使われました。最近ではこの手口は禁止されたために使わなくなったショップも増えました)
施設使用料、タンク代を含めた金額を提示してもらうこと。現地で講習後に「タンク代集めまーす」とか、「施設使用料集めまーす」と行ってくるショップもあります。(これもダイビングの料金を明示しなくてはならないと事業者組合で決まったので、この手口も顕著に減ってきました。)
全機材レンタル料を含めた料金を提示してもらうこと。 (後で「えっ、これは機材買った人の講習料よ。全機材をレンタルした方はこっちの値段になります。」と言ってきて後でふっかけてくるケースもあります。)分かりにくい料金提示をされた場合は、早々に断固とした態度で退散したほうが良いです。
必ずオープンウォータ(OW)の講習であることを確認すること。 中にはOWの1ランク下の講習であることを受講後に言ってきて、OWを取るには更にもう一度講習を受ける必要があると言って来る悪質なショップも数多くあります。
これと似た方法で、最初に全見積もりを出させたにも関わらず、一回目を受講したとたんに「追加で購入するものが必要」と言ってくるケースがあります。それがマスクだったり、ウエットスーツだったり、ログブックだったりします。話が違うので購入できない」というと「それならば講習の継続はできない。一回受講したので返金もできない」と言ってきます。これは詐欺ですので警察に連絡しましょう。そうしたケースが発生した場合、ご連絡ください。同じ店で同じような詐欺に合っている人がいるかもしれません。2002年も有名スポーツクラブのスクール生からこのような相談を多数受けました。
最終的に必要なカード申請料までを含めて、自分の財布から出るお金が5〜6万円程度でおさまることを確認すること。全部で幾ら?というよりも「私の財布から出るお金の総額は?」と聞いたほうが良い。宿泊料含めても7万程度までだろう。ちなみに7万だったら沖縄へ行ってCカードを取るパック旅行の金額よりも高いくらいです。
これらのことを誠意をもって答えてくれるショップであることを確認すること。
 誠意あるショップはこれらの騙しのテクニックを他のショップが使っていることを知っていますので、これらのことは当然ちゃんと答えてくれます。これらの質問に文句を述べるショップに、自分の命を預けられるかどうか考えてみましょう。
インストラクターだとか言って尊大な態度をしていないか意識してチェックしてみる。尊大な態度の店は指導も尊大。講習内容には期待できない。
    

●機材購入のアドバイス
 それでも機材が欲しい場合があるでしょう。それならばダイビングスクールのショップではなくて、機材専門店で買った方が良いと断言できます。 「量販店はダメ。壊れやすい」などと書かれたダイビングショップのホームページもありますが、本当のところはメンテナンスも含めてちゃんとした機材専門店にはかなうところはありません。逆にダイビングスクールは在庫のあるものを売ろうとする場合もあります。
●ダイビングに行く仲間がいないのでショップに頼るしかない?
 全く心配がありません。まず現地ダイビングセンターは、一人で行ってもちゃんとガイドしてくれます。現地ダイビングセンターのガイドはその海を最も良く知っているので、ダイビングスクールのガイドよりも丁寧で詳しいガイドをしてもらえることでしょう。