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森の実り 
5月下旬〜6月
 かつて御蔵島はニオイエビネランの咲き乱れる島でした。 ところが本土からの人々の乱獲、山採りにより、野生のものは絶滅してしまいました。 現在ではわずかに残ったニオイエビネランを保護して増やすこころみがなされています。これらの野生の植物を見ても採取したりしないでそのままにしようね。みんなで自然を守ろうね。
森で見つけた果実
ハチジョウグワ
 最初は赤い色をしている実ですが、だんだんブドウ色に変わって行きます。熟した実は食べることができます。
オオシマザクラ
 御蔵島のオオシマザクラの実はぶら下がるのではなくて、サクランボの枝の部分がたわまずにしっかりしています。最初はピンク色の実ですが、だんだんと赤くなり、最後は黒い色になります。実は食べることができます。
ヘビイチゴ
 春には黄色い愛らしい花をつけますが、この季節には真赤な綺麗な実をつけます。道の脇で鮮やかな赤い色彩で目を楽しませてくれます。名前はヘビイチゴなのですが悪い実ではありません。名前から入ると良い印象は受けませんが果実に毒はありません。ヘビイチゴの名前の由来は、ヘビが食べるイチゴというところから来ています。肉食のヘビも体調が悪くなるとこれを薬代わりに食べるという言い伝えがあります。伊豆半島に近い漁師町では、ヘビイチゴの実をお酒につけて薬として使う習慣もあります。しかし味はありませんので普通は好んで食べることはありません。
オオバヤシャブシ
 これは食べられませんが、松ボックリのような形をしているので、落ちているものを拾い集めてクリスマス・リースに使ってみましょう。  御蔵島がかつて噴火を繰り返していた大昔。溶岩で黒く覆われた地面にまず生えるのがオオバヤシャブシの木だったはずです。根に根粒と呼ばれる突起を持っていて、そこにバクテリアが共生しています。共生性窒素固定菌と呼ばれるバクテリアで、大気中の窒素から養分をつくり木に提供しています。その代わりにバクテリアは根粒の中にいることで他のバクテリアから守ってもらっています。養分の無い溶岩にまず生えて落葉によって土を作る役目を持っているオオバヤシャブシは、今でも台風による崖崩れが起きたところに植林されます。
カジイチゴ
 オレンジ色の実が森の緑に映えます。御蔵島の水で育ったキイチゴの実はとても甘くて美味しいのです。