モウセンゴケ
かつて御蔵島はニオイエビネランの咲き乱れる島でした。
ところが本土からの人々の乱獲、山採りにより、野生のものは絶滅してしまいました。
これらの野生の花を見ても採取したりしないでそのままにしようね。みんなで自然を守ろうね。
モウセンゴケ
 比較的高山に生える植物で、日当たりが良い湿地に生える。御蔵島では海から水蒸気を含んだ風が山を駆け上がる際に断熱膨張という現象が起き、気温が一気に下がり水蒸気が結露をする。そのため濃い霧が発生しやすく、モウセンゴケが生育しやすい環境ができている。もともと寒冷地の湿地の植物で色は赤いが、温帯の湿地に見られるモウセンゴケはこのように赤みが少ない。
 日当たりがよくて、かつ湿地という条件が整わないと生育できない。その為、極相林などではもちろん生育ができず、湿原などでかつ人が通るあぜ道の横などの境界に生えやすい。以前は鈴原湿原にモウセンゴケの群落があったのはこの為だ。現在はウッドデッキの歩道ができているため、こうした境界に生息する植物群落は鈴原以外の方が見つかりやすいだろう。

 

モウセンゴケの花(8月)
 モウセンゴケは、名前こそ「コケ」となっているが、苔ではなく草。花期は8月で綺麗な白くて小さな花をつける。細い茎が真直ぐに伸び、その上に一輪だけ咲くモウセンゴケノ花は気高く、夏の御蔵島では必見の花だ。御蔵島のモウセンゴケの群生地で撮影 2007年8月7日(協力:宿まるい様)
虫を捕らえたモウセンゴケ
 モウセンゴケは食虫植物。モウセンゴケを見つけたら虫が捕まっていないか虫眼鏡やマクロレンズで観察してみよう。モウセンゴケ自体が小さいので捕まえる虫もとても小さいのです。葉の周りの毛の先端部分に粘々がついていて、つかまった虫はあっという間に動かなくなります。

御蔵島は富士箱根伊豆国立公園に属しており、島全部が自然保護区に指定されていて
 
植物の採取は禁じられています。みんなで自然を守ろうね。