御蔵島の旅人

御蔵島のイルカ (一日の生活)


 イルカは夜行性の動物だと言われています。私たちは御蔵島では日中のイルカの様子しか見ることはできませんが、早朝や日中、夕方と、時間を変えてウォッチングをしてみることで、夜行性と言われるイルカの生態をほんの少しうかがい知ることができるでしょう。時間帯を変えてウォッチングをしてみると、早朝と夕方に動きが活発になるのを観察することができるでしょう。私たちが観察することができる早朝から夕方までの御蔵島のイルカの生活を、ここで少し見てみることにしましょう。

御蔵島のイルカの一日の生活
 イルカにもタイムテーブルのようなものが有るようです。


1.早朝
 朝早く6:00〜7:00の時間帯は御蔵島港の桟橋付近にイルカの群をみることができます。運がよければ桟橋や玉石の海岸から海に入ると、イルカが人と遊ぶこともあります。最近大きな桟橋ができてからは、以前必ず見られていたような周回は不規則になってきました。その他、この時間帯は捕食をしているところにも出くわします。運がよければ採餌をしているところを観察することができるでしょう。


2.午前中(10:00位まで)
 浅い水深で人間と活発に遊ぶのは日出早朝から10:00amくらいまでのようです。

3.午前中(11:00位まで)
 主に移動中です。2〜3頭の群れが集まり、20頭程の大きな集団を作りはじめる時間帯です。
 ただし水深を守れば人と活発に泳ぎます。主な水深は8〜13mになります。
 しかし一緒に泳ぎたいばっかりで近づいたりすると威嚇されることがあります。


4.日中(11:00〜15:00)
 日中は3:00pmくらいまで比較的大きな群で移動しながら休息します。一般に休息時間といわれています。
 呼吸回数も少なく水面になかなか出てきません。無理に近づいたりしないようにしましょう。

5.日暮れ時(15:30〜日没)
 夕方は3:30〜4:00くらいからまた浅い水深で活発に人間に近づいて来るイルカがいます。
 夕方から日没近くには絡み合い行動」も良く見られますし、黒潮が御蔵島に入り餌さえあれば採餌をしているところを観察することもあります。桟橋近くに現れることも多く、桟橋から海に入ると、イルカが人と泳ぐこともあります。


御蔵島のイルカのウォッチング最適時間

 御蔵島のイルカは野生動物ですので、いつも遊ぶわけではありません。餌をとったり、仲間のイルカの子育てを手伝ったり、いわば仕事を持ちながら生活をしています。イルカと遊ぶことだけがウォッチングではないよね。人間と干渉しない姿こそが野生のイルカの本来の姿であり、その本来の姿を観察したいものです。だから良いウォッチャーにとっては全ての時間がウォッチング最適時間と言えます。特に11:00〜15:30あたりのウォッチングは移動中(休息中)のイルカが多くいます。イルカにとってもやっとの休息時間です。もし「遊ぶ」ことだけが目的のウォッチャ-さんが居たとすると、イルカにとってやや困ったウォッチャーさんになってしまいます。でも静かに観察するのはイルカも許容範囲のようです。休息時間帯のウォッチングはイルカの休息を邪魔しないように観察しましょう。さまざまな時間帯で御蔵島のイルカを観察することは、イルカの生活を理解することにとても役立つでしょう。