海岸の近くで見ることができる植物
かつて御蔵島はニオイエビネランの咲き乱れる島でした。
ところが本土からの人々の乱獲、山採りにより、野生のものは絶滅してしまいました。
これらの野生の花を見ても採取したりしないでそのままにしようね。みんなで自然を守ろうね。

         
ラセイタソウ
 三宅島で撮影したこのラセイタソウは、1983年の噴火のときに森を焼き尽くした溶岩の上に力強く根付いていました。これらの海浜性の植物は、養分の少ないところでも生えることができるので、噴火後の荒れた地に最初に乗り込んで、森形成の足がかりを作る役割をしています。御蔵島もかつて噴火を繰り返していた時代はこうした植物が岩肌を覆ったことでしょう(
三宅島、阿古地区で撮影)
ハマボッス
 白い花をつけているころ(7〜9月)はハマボッスの名前の由来がわかりませんが、秋になると一目瞭然。なるほどお坊さんの使う払子に似ています。日本語といえども由来が分かった方が印象にのこるので覚えやすいですよね。太平洋諸島から北海道までの海岸で見られます。三宅島、阿古地区で撮影)
タイトゴメ(花期5〜7月)
 タイ産のお米に葉の形が似ているということから大唐米の名がつきました。海岸の岩肌に生える植物です。関東より西〜朝鮮〜奄美諸島に生えています。(三宅島、阿古地区で撮影)
ソナレムグラ(花期8〜11月)
 フタバムグラが畑などに生えているのに対して、これは磯に生えていることから「磯慣れムグラ」転じてソナレムグラになったと言われる。海岸の岩場に生えている植物だ。
関東以南〜沖縄、朝鮮に生えている。(写真は三宅島阿古地区で撮影)
ワダン(写真は三宅島阿古地区で撮影)
センニンソウ(御蔵島)
ハマゴウ(花期7〜9月)
 草ではなくて落葉低木です。ハマエンドウの様に砂の上を這うように生えています。赤い実は薬として使われます。風邪の初期症状に効果があります。熟した実を乾燥させ、6〜10gをコップ2杯(400cc)で煮詰めます。コップ1杯分まで煮込んだら出来上がり。朝昼夜と3回飲みます。頭痛、発熱を緩和する働きがあると言われています。(写真は三宅島阿古地区で撮影)
ネコノシタ(花期7〜10月)
 葉の手触りが「猫の舌」のようであることからこの名前が付きました。猫の舌を実際に触って比べたことがない場合は良く分からないかもしれません。関東北陸〜西、小笠原、東南アジアの海岸に見られます。(写真は三宅島阿古地区で撮影)
オオバヤシャブシ
 根の部分に共生性窒素固定菌を持つオオバヤシャブシ。根の中のバクテリアが養分を作り出す為、荒地でも良く育ちます。溶岩が固まった荒地にも根を下ろすため、木の周りに落葉や実によって土壌をつくってくれます。言わば森の土台を作る役目をしています。三宅島阿古地区の溶岩で真っ黒に覆われた荒地にぽつん、ぽつんと緑が見えますが、それがオオバヤシャブシです。御蔵島ではハンノキと言います。(写真は三宅島阿古地区で撮影)