Communication
 大な海の中で小さな生き物同士が出会う。
それは偶然か、それとも運命か。イルカ同士も透明度の良いところでは友好的な視覚的なサインを出し合い、意思を伝達します。
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 イルカが言語を持つかどうかについてですが、最近では音声言語以外の伝達体系もチョムスキー等によって言語であると学術的に解明されてきたため、イルカが発信する様々なホイッスル音やクリック音だけでなく、視覚的なサインも言語である可能性としては無視できません。ただし言語であるかどうかは単に「言語」という言葉の定義の問題である風潮があるため、特にここでは議論しません。ハワイ大学でのイルカと手話で話す研究や、水族館などでのイルカへの意思伝達手段にサインが用いられているため、イルカ自体は恣意的なサインを認識することが出来るというところまでで、ここはとどめておきたいと思います。
イルカのサイン

御蔵島で撮影
(photo by Shwatch)
 イルカの威嚇行動や回避行動、オトリ行動を見極めたり、イルカ同士で使用される友好的な視覚的サインにも気づくことができたら、立派なナチュラリストの観察者ですよ。

視覚的サインの一例
 威嚇・攻撃: 口を開けて相手に向く。
 友好: 白い腹を見せながら旋回する。


鳴き声の分類の一例
 警戒時: ジジジジジ という音 (ウォッチャーを調べています)
 威嚇時: カチカチカチカチ (威嚇しています。離れましょう)
 攻撃時
 ボン ボン (吠えるような音です。攻撃直前です。)
 遊んでいる時 : キーイ キ 、キーイ キ  など
             というホイッスル音繰り返し。

イルカとのコミュニケーション
その他、イルカが人にサインを出すだけでなく、ウォッチャーに物を渡したり、キャッチボールをして遊んだりすことがありますよ。不思議ですね。普段はイルカ同士で道具をつかったこうした遊びをしますが、イルカも人と遊ぶ目的で自発的に道具をつかうのですね。

Rinaさんからの情報

ただいまー。御蔵島より帰ってきました。今回はスペシャルな事がありました。19日の午後のスイムでイルカとパス&キャッチのゲームをやりました。バハマでは浮いている海藻を使う事が多いんだけど、御蔵島では悲しいかなごみのビニールだった。でも、そのごみさえ遊び道具にしてしまうイルカのたくましさを感じました。2頭一緒にいたんだけど、島一週する勢いでそのイルカと泳いでました。久々に夢中で泳いだ。楽しかったー。 また今度はぜひ一緒に泳いでる時にそんな遊び心満々のイルカに逢いたいな、そしたら、イルカと一緒のスペシャルな写真を撮ってね。  理生
 
ミルカイルカさんからの情報(掲示板)

>いるかから海藻までもらってしまいました。感動でした。
 
 イルカから海藻もらったなんて素敵ですね。(^^) 御蔵島のイルカ場合、ごくまれなのですがイルカが海藻や漂流中のビニール袋などもくれることがあるようですよ。(^^) おもしろいですよね。(^^) 情報ありがとうございました。

自然界の中でも種の違う生物同士が共有のサインを用いて共生する場合があります。そうしたサインを見極めたり、用いることができれば、ストレスの少ないウォッチングができると、私達は考えています。