自然の楽しみ方  
 ビーチコーミングや森の散歩を、子供のような目で楽しもう。 
自然について知識がないのですが
  どんなたのしみ方がありますか?
〜わたしは、子供にとっても、どのようにして子供を教育すべきか頭をなやませている親にとっても、「知る」ことは「感じる」ことの半分も重要でないと固く信じています。〜
(新潮社レイチェル・カーソン 「センス・オブ・ワンダー」上遠恵子訳 より)
 この言葉は、あの環境汚染を世界で初めて警告し「沈黙の春」を書いたレイチェル・カーソンが、自然教育について述べたものです。沢山の知識を持たなくても、感じる心はだれもが持っているものです。単純に見て感じる、そんな子供のような自然の親しみ方があることを私たち大人は忘れてしまっていることが多いのです。

■森の不思議探し
 植物の名前や動物の名前は、地域によっても島ごとにも異なります。名前を覚える楽しみもあると思いますが、もっと自然を純粋に楽しむことも実はできるのです。たとえば山道をテーマを決めて歩いてみましょう。不思議なもの、変なもの、かわいいもの、香りがするもの、手触りの良いもの、綺麗なものを見つけて分かち合いましょう。不思議は直ぐに解決しなくても良いでしょう。スケッチをしたりデジカメで撮ったりして、不思議を不思議として楽しみましょう。あせらずゆっくりと歩いて、一期一会のつもりで森の不思議たちと出会い、一緒に行った人たちに自分がどんなふうに綺麗だと感じたか、どんなふうに不思議だと感じたかを語り合ってみましょう。一人よりも二人、二人よりも三人の方が、そして子供やお年寄りなど、いろんな年齢層がまざると更に多くの不思議や驚きの発見があるはずです。

■漂着物拾い(ビーチコーミング)
 御蔵島で漂着物拾いなんて面白いと思いますよ。玉石の海岸でかつて幅1m程もあるウミウチワを見つけたり、様々な形の流木を拾ったりしたことがあります。そうしているうちにすぐ近くをイルカが通ったりしたこともありますよ。

 鎌倉の長谷川先生は、浜で拾った物の中で「かわいいと感じるもの」「好きな色」「好きな形」「これはなんだろう?」「なんだか分からないけど気になる物」「今の自分の気持ちに近いもの」を紙にスケッチしていく漂着物拾い(ビーチコーミング)の楽しみ方を提案してくださいました。御蔵島で、または近くの海で漂着物拾い(ビーチコーミングを)して創造力をかき立ててみましょう。

★森の不思議さがしやビーチコーミングなどで、自然の不思議に出会うことが楽しくなってきたらもうナチュラリストです。自分の目で見て感じることが楽しくなってくれば、やがて自然の変化にも自分で気づくことができるようになります。それは自然を守ることにつながるはずです。植物の名前は、こうした発見を楽しんでいくうちに徐々に自然に覚えられるものですから。むしろ自然との出会いの方を大事にしてみましょう。
★拾った人工物などは、そのまま海や森に置いておかず、ゴミ箱まで持っていったり、持ち帰ったりして捨てるようにできたら良いですね。森の散歩や漂着物拾い(ビーチコーミング)の時にはゴミ袋も持っていくと良いですね。
新潮社 レイチェル・カーソン著
 「センス・オブ・ワンダー」上遠恵子訳
 自然保護の先駆者カーソンの遺作。カーソンと子供の心の交流が自然観察を通して描かれています。自然観察のバイブルとも言える本になっています。


こちらも環境調査の先駆者リンドバーグが書いた「海からのおくりもの」

 環境調査の先駆者が、ビーチコーミングをして海辺で拾ったものを自分の生き方と重ね合わせてながら綴った一冊がアン・モロウ・リンドバーグの「海からの贈り物」です。