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春の花
4月〜5月に見ることができる花 (島の各地で)
かつて御蔵島はニオイエビネランの咲き乱れる島でした。
ところが本土からの人々の乱獲、山採りにより、野生のものは絶滅してしまいました。
これらの野生の花を見ても採取したりしないでそのままにしようね。みんなで自然を守ろうね。
黒崎高尾への道で見られる植物
 えびね公園まできたら、ついでに黒崎高尾の展望台まで歩いてみよう。エビネ公園横の標識に従って比較的なだらかな道を15分程度歩くと展望台までたどりつくだろう。

ヤマグルマの葉
 この木の皮をはがして臼で突いてこねると粘りが出てくる。これを棒の先につけてトリモチをつくり、鳥を捕まえるのに用いられてきた。  

 シマテンナンショウ(花は4月まで)
 葉はウラシマソウに似ている。花もウラシマソウと形が似ているが、シマテンナンショウは緑色をしている。但しこのように茎が二股に分かれているのがシマテンナンショウ。根の部分でヘンゴダンゴを作る。根の玉の部分を煮て、熱いうちに粘り気が出るまですりつぶし、ヨモギなどを混ぜて食べる。しまではヨモギも取れる。この時期にはもう花が枯れているものが多い。

ユズリと御蔵島では呼んでいるユズリハ。枝の先端に色の違う葉が集まっている。島ではユズリの花ということもある。この部分は葉が三重についているという。一重目の葉が3枚、二重目が5枚、三重目が7枚ついており、島では七五三の花ともいう。御蔵島の神主さんの家では正月に鏡餅の上に橙(だいだい)を乗せてそのうえにこのユズリの花を差して飾る。新しい葉が出ると古い葉が落ちて居場所を譲るところからこの名前がついた。

ウラシマソウの花
 葉の形はシマテンナンショウと形が似ている、シマテンナンショウは茎が二股に分かれてその間に花が咲くのに対して、このウラシマソウは茎が二つに分かれず一本で、葉も一枚である。花から蔓が延びているが、これが釣り人が竿をたれている様子に似ているところから、ウラシマ太郎が釣りをしていると昔の人は考え名前がつけられたという。黒崎高尾への道でも見れるが、エビネ公園でも見られる。シマテンナンショウの花が終わり始めると咲き始める。
木に咲く花
 自然観察をするときは、下ばかり見がちだが、遠くを眺めたり、木の上を眺めたり、いろいろな視点で見てみると、いろんなところで発見があるでしょう。   

ヘイの木の花
 この季節、山の谷間沿いに白いまだらが見える。とてもあまい香りがする。近くに行っても高い木の上に咲いていて、上手く撮影できない。しかし地面にはたくさん白い花が落ちているのを見つけることができるだろう。

スダジイの花
 春にはスダジイも花が咲く。これも高いところに咲いているのと、かなり地味な花の為、島のおばぁさまは皆さん知っていたが、若い方では知らない方も多い。
オオシマザクラの花
 伊豆諸島固有の桜。毎年4月になると白く清楚な鮮やかさを湛えます。

 

オオシマツツジ
 伊豆諸島の固有種のツツジだ。御蔵島の森でも咲いているが、えびね公園でも見ることができるだろう。
浜に咲く春の花 新しい息吹
 海に近い里の方でも木にしてみるとさまざまな植物を観察することができます。里の近くではハマボッスの花などもこの時期に見ることができるでしょう。

ハマボッスの花
 この花の状態からではハマボッスの名前の由来は今ひとつ分からないだろう。秋になると下の写真のように玉状の実をつけ、振るとカラカラと音がする。これがお坊さんが使う払子(ほっす)に似ているところから、浜払子という名が付いた。春にはこんなに可憐な花をつける。イソギク、ラセイタソウ、ソナレムグラなどと同じ場所に生えている。 

オオタニワタリとオニヤブソテツ

  小さくてもオオタニワタリとオニヤブソテツ。
 里の石垣に何気なく生えている。

(参考 秋のハマボッス) 
御蔵島は国立公園で、島全部が自然保護区に指定されていて
 植物の採取は禁じられています。みんなで自然を守ろうね。