束縛・・・? 〜 遙かなるお題43 〜
「イサト君って手をつなぐの、好きだよね?」 「そうか?」 「うん。だって気がつけば手をつないでるでしょ。」 「あー、そういえば、そうだな。」 「神子してる頃から時々つないでたし。」 「あの時はお前がしょっちゅういなくなったからだろ?理由は怨霊とか・・・・他の八葉とか、鬼とかあったけど。」 「?他の八葉が理由だったら別に手をつながなくてもいいんじゃない?」 「・・・・それが一番手をつないでなきゃいけない理由だって。」 「??」 「お前はわかんなくていい。」 「よくわかんないけど、わかった。でも京の世界って手をつなぐような習慣はないって聞いてたからちょっと不思議に思ったんだけど。」 「まあ、確かにあんまり手つないだりしないな。だいたい女と一緒に出かけたりしないぜ。」 「あ、そっか。女の人はあんまり出かけないんだよね。」 「庶民は買い物したり市に店出したりするから、貴族のお姫さんとは違うけどな。」 「うん。でも手をつないだりしないわけでしょ?だから私、イサト君は手をつないだりするの嫌かなって思ってたんだよ。」 「他の奴とは嫌だよ。子どもとかはともかくな。」 「私とはいいの?」 「当たり前だ。お前、手でも繋いどかないとしょっちゅうどっかいっちまうだろ?」 「そ、そんなには・・・・」 「断言できないじゃねえか。」 「ぐっ」 「好奇心の固まりみたいなもんだもんな、お前。・・・・でも、別の意味でも花梨と手を繋ぐのは好きなんだ。」 「別の意味?」 「こうやって手を繋いでると・・・・」 「繋いでると?」 「お前と繋がってるって安心できるだろ?」 |