甘い言葉で口説いて欲しい♪





〜 炎の守護聖のティータイム 〜



「愛してるぜ。」

のんびりとした休日のティータイム、紅茶を上手に煎れたぐらいでそんな言葉を贈られたアンジェリークは頬を赤らめながら恋人である炎の守護聖を睨む。
「オスカー様ったら・・・もう少し心のこもった言い方をしてください。」
「心のこもった?」
首を傾げるオスカーにアンジェリークはそうですよ、と頷く。
「そんなに気軽に使われてたら、折角の素敵な言葉にも心がこもっていないように思えるじゃないですか。」
少し遠慮がちに言い募る可愛い恋人の仕草にオスカーはああ、と笑って彼女を引き寄せる。
「残念だがそれは無理だな。」
「え?」
びっくりしているアンジェリークの胸元をとんっと指で突いてオスカーは囁いた。

「俺の心は全部この可愛い天使に盗られちまったからさ。」












〜 夢の守護聖とドレスタイム 〜


「オリヴィエ様〜、そんなに着られませんよ〜」
色とりどりの服の洪水に飲み込まれてしまったアンジェリークがいささか情けない声で訴えるのをオリヴィエはさらりと笑って受け流す。
「今着なくってもいいよ。それは全部あんたへのプレゼントだからさ☆」
「ええ?!そんな貰えませんよ!」
一瞬この服すべての値段を計算してしまったであろう愛しい恋人が首を振る。
その頬にオリヴィエは軽くキスをして黙らせると言った。
「いいんだよ。私の恋人はこんなに可愛い女の子なんだってみんなに見せびらかしたんだからさ♪」
優しい言葉と甘いキスにすっかり顔を赤くしたアンジェリークは、赤くなった顔を隠すようにドレスを口元まで引き上げて呟いた。
「・・・オリヴィエ様ったら、優しすぎです・・・」
その言葉にオリヴィエは珍しく口元を皮肉げに歪めた。
「優しくなんかないさ。」
「?」
首を傾げるアンジェリークの耳にそっと口を寄せて言った。

「私はいつだってあんたをめちゃめちゃにしたい衝動を抑えてる。
本当の私は恐いんだよ。
・・・・・そんな私も見てみたい?」












〜 緑の守護聖とチェリーパイ 〜


「美味しいですね!マルセル様」
そう言いながらチェリーパイを頬張るアンジェリークに緑の守護聖マルセルは頬を緩ませた。
木漏れ日の中での彼女とのティータイムはどれほど自分が幸運か知らしめてくれる。
しかし彼女の方は美味しいチェリーパイに今の所夢中。
美味しいを繰り返しながらチェリーパイを攻略していく恋人を見つめてすこおしマルセルは自分の心に不満が溜まっていくのに気がつく。
嬉しそうにチェリーパイを食べる彼女は可愛い。
可愛いけど・・・
「アンジェ。」
「はい?」
マルセルの声に僅かに籠もった不機嫌さに気がつかずにアンジェリークはひょいっと顔を上げた。
次の瞬間、唇が塞がれる・・・もちろん、マルセルのそれによって。
柔らかく触れただけで唇を離したマルセルはまだ事態が把握できずに呆然としているアンジェリークに微笑みつきで言った。

「僕が近くにいる時は、僕を見つめて欲しいな。」












〜 地の守護聖とスタディタイム 〜


「ルヴァ様、すみません。あの本をとって欲しいんですけど。」
地の守護聖の執務室の書庫から聞こえた鈴をふるような声にルヴァは、書きかけの書類を置いて書庫へ向かう。
そして本棚の上の段を目指して手を伸ばしている少女の隣に立つと彼女の手の先の分厚い本をひょいっと取って彼女に渡した。
「アンジェリーク。その本を読むんですか?」
今彼女に渡したのが相当難解な専門書であることに気付いてルヴァは首を傾げた。
「はい。わからない事があったんで調べなくっちゃと思って。」
「聞いてくれれば教えますよ?」
「でも・・・いつもルヴァ様に頼りっぱなしじゃいけないでしょ。自分で調べることも覚えなくちゃいけませんよね。」
そう言って照れたように笑うアンジェリークを見つめてルヴァはぽつりと言った。
「それはそうなんですけど・・・貴女は心配ないですよ。」
「え?どうしてですか?」

「貴女の疑問には私が・・・・一生答えてあげられますから。」












〜 鋼の守護聖とスリーピングタイム 〜


「ゼフェル様ー!」
静寂を破って聞こえた耳障りのいい声に執務をさぼって昼寝していたゼフェルは薄く目を開けた。
「ゼフェル様ったら、またこんな所で。ジュリアス様に怒られちゃいますよ?」
「あー!うっせえって。お前は説教しに来たのかよ?」
「え?そんなんじゃないです!ただ・・・・」
「ただ?」
口ごもったアンジェリークが赤くなっているのも気がついているのに、意地悪くゼフェルは先を促す。
「ただ・・・あ、会いたかっただけです・・・・」
最後の方は小さくて聞き取れないぐらいの言葉にゼフェルはにっと笑うと乗り出して軽く彼女にキスをする。
「良くできましたってか。」
「ゼフェル様!!」
顔を真っ赤にしたアンジェリークが睨んでくるが、まったくこたえた様子もなくゼフェルはめったに見せない柔らかい笑みを浮かべて言った。

「怒るなって・・・・・好きだぜ、お前が。」













                                     〜 Fin 〜






― あとがき ―
闇様、水様、光様、風様のファンの方すみません(><)
だから思いついた順に書いていたんですが、闇様を書こうとして挫折しました。
・・・・チャンスがあったらそのうち書きますので・・・・・(^^;)

もう、イベント行った勢いで書いたモノで完全思いつきの産物である上に、中途半端です。
いや〜、ただちょっと彼らに口説かれてみたいなあなんて(爆)
東条的にはオスカー様の某有名アニメのパクリのようなセリフがお気に入りv
オスカー様にこんな風に口説かれたら腰抜けますって、まじで(笑)
オリヴィエ様にはちょっとポーカーフェイスの裏側の熱い感情みたいなものを見せてくれたら、もう!
マルセルみたいな少年系キャラが見せる意外な独占欲も東条は弱いですね〜(笑)
若いからこそはばからずに言えるその無邪気さは彼らの特権ですよ、きっと。
ルヴァ様にはさらりととんでもないセリフを言って欲しいですね。
このショートで書いたセリフだってプロポーズまがい(まがいというか、プロポーズ?)のセリフだし。
ラストのゼフェルはやっっっぱりストレートに限ります!!
小細工できない不器用さが器用さを与える守護聖という役職とのギャップでさらに可愛く見えるでしょうv
・・・って、うわぁ語りすぎですね(^^;)
こんなどうしようもないショートショートにこんな長々と語ってすみませんでした(- -;)