〜12月18日(金):3日目〜

●AM 9:00頃 品川プリンスホテル1971号室  [update:H12.1.25]

 目覚ましの音が鳴っている・・・・。もう朝なのか。

 眠たい目を擦り、起床する。しかし、体はまだ眠りを要求している。どうやら昨日は嬉しさの余りはしゃぎすぎたようだ。

 隣のベッドで寝ている友人を見ると、モソモソしてはいるが、まだ起きそうにない。しばらくそっとしておくか。

 眠気覚ましに、カーテンをそっと開けて街を見下ろす。

 品川駅の向こう側に、東京タワーが見えている。

 そうだ。とうとう来たのだ。憧れの東京に。

 そして、とうとう足を踏み入れるのだ。夢にまで見た”渋谷”に!

 実感が沸き始め、次第に興奮してくる。

 はやる気持ちを抑えつつ、洗顔をして服をコーディネイトしながら、友人の目覚めを待つ。

 コーディネイトといっても、ただ昨日着ていた茶色のタートルネックのセーターが、首にチクチクして着づらかったからそれを省くだけなのだが(苦笑)

 イメージは”桂馬風”。あくまで”桂馬風”であって、”桂馬”のコスプレではない。自分でそう思い込んでいるだけの格好である。他の人から見れば、100%”桂馬”には見えないだろう。

 暫くしてから、友人が本覚醒しはじめた。いよいよ私たちの渋谷計画の始動開始だ!

 友人かシャワーを浴びている間に、私は荷物の準備に取り掛かった。カジュアルなベージュの鞄に必要物品を放り込む。

 まず、「街」の代表的な攻略本である「ZAP'S」。「街」の名場面を探すにはこれが必需品だろう。

 次に、東京るるぶ・渋谷マップのコピー。これには事前に「街」名所に印をしてある。もちろん効率よく巡るために順番も書き込んである。

 そして、最後に筆記用具と使い捨てカメラ。これがなければ、「街 ごっこ」は出来ないからな。念のため、カメラは2個入れておく。ふふふ、これで完璧だ。

 友人がシャワーを終えて、荷物を準備し始める。今日のナビは私が メインであるため、友人の荷物は軽いものである。小さなリュック一つで準備完了。

 食事をしてからそのまま外出するため、荷物を持参して食堂へ移動。腹が減っては戦は出来ぬ。しっかり食べておかねば。


●AM 10:00 食堂

 ホテル本館にある食堂に入ってみると、サラリーマン風の人がやたらと目についた。やはりビジネスホテルならではの光景である。

 洋装はテラスを思わせるような吹き抜になっている。かなり広く、白を基調としたデザインで、所々に観葉植物が置いてある。ちょっと南国な気分だ。

 料理形式はバイキングのようだ。洋食・和食共に置いてあり、種類もかなり多い。

 料理の近い場所に席を取り、それぞれ好きな料理をお皿に取って席に運ぶ。私は洋食で揃えることにしよう。

 しかし、料理の量がどれもこれも少なくなってきている。そして料理によっては無いものまであるのだ。もしかして食堂の閉店時間間際なのだろうか。明日はもう少し早めに来た方がよさそうだ。

 手早く食事を済ませ、ホテルを出る。天候は晴天快晴で申し分無い。よし、目指すは「街」の舞台”渋谷”だ!


●AM 10:45 品川駅

 渋谷までの切符を購入し、JR山手線に乗り込む私達。少し込んでいたため、奥の開閉ドア付近に移動する。ここからなら景色も見れるしね。

 品川から、大橋・五反田・目黒・恵比寿、と次々に駅が通り過ぎていた。その間、私たちは殆ど無言状態。

 脳味噌が回転していなかったのもあるのだが、渋谷に近づくに連れて緊張してきたからでもあるのだ。

 胸が高鳴り、鼓動が早くなる。顔が紅潮してくる。頭の中では「街」のシーンが幾つもかけ巡る。

 そして、社内のアナウスが次の駅の名前を告げた。

 「次は渋谷」。いよいよだ。

 窓から外の景色を垣間見るが、見覚えのある景色は見あたらない。反対側になるのだろうか。

 電車のスピードは次第に遅くなり、ゆっくりと「渋谷駅」に停車する。


●AM 11:00 渋谷駅

 電車から降りた私たちは、降りてきた人が通り過ぎるまで、暫く駅のホームにたたずんでいた。

 「ここが・・・渋谷駅」

 実感が涌かない。いや、まだだ。まだ本当の意味で「渋谷」に降りたってはいない。

 人の波が静まった後、ゆっくりと迷わないように改札口に向かう。

 そう、「街」の物語が紡ぎ出されたあの「スクランブル交差点」の方面の改札口・ハチ公口方面へと。


●AM 11:05 ハチ公前出口・ISDN公衆電話

 改札口を抜けると、太陽の逆光と清々しい青空が私たちを迎えてくれた。ここからが、本当の「街」の舞台だ!

 ドキドキしながらあたりを見回すと、視界の中にISDNの公衆電話が飛び込んできた。

 あれはまさしく桂馬君のシーンで出てきた公衆電話!!彼はここでガイ君とパソ通をしていたんだ・・・!

 1日目のシーンが鮮明に浮き上がる。しばし感動。

 そして、さっそく自分もISDNの公衆電話で自宅にモーニングコール(もう昼だけど)することにした。友人は携帯を持っているので外で待機。

 電話口には母親が出てきて、今渋谷にいることを報告。自宅も変わり無いようなので一安心。これで心起きなく遊べます。

 公衆電話から出た私たちは、本格的に「渋谷詣出」を開始したのだった!!


●スクランブル交差点

 ここが「街」の開始地点であるスクランブル交差点。さすがに交差点前は人が多い。それに、名前の通りスクランブルだ。

 信号待ちの為、私たちは正志が立っていた地点で立ち止まった。

 ここからだど、スクランブル交差点の全貌と各主人公の開始地点が良くわかる。馬&陽平はちょっと離れているが。

 目の前にはセンター街とあのオーロラビジョン。それに西武百貨店の看板が垣間見える。

 桂馬は目の前に見えるオーロラビジョンを見てここを走り抜け、正志は日曜日と出会い、隆士は行く場所を見失い、牛尾は市川を小突き、市川はぶっ倒れ、美子は洋ちゃんとデートしていたんだ。

 そして、ハチ公前で陽平は呼び出され、渋谷駅前では馬部が懐の中にある拳銃のグリップを握り締めていたのだ。

 ああ、どこを見渡しても「街」づくしだ。まるで自分が「街」の登場人物になったような、そんな錯覚さえしてくる。

 しかし・・・点々と見えるキリスト教の黄色い旗と、説教のテープが耳障りでうっとしい。これさえなければ、もっと最高な気分に浸れたのだが。

 だが、なるほど納得。こんな事が日常茶飯事なら”キャベツ教”がいたっておかしくはない。それほど不思議な街なのだろう。

 信号が青に変わり、人々が一斉に歩き出す。雑多の中、私たちはセンター街の方へ足を向けた。


●センター街

 ここが、桂馬のホームグラウンドでもあり、私たちの大好きなゲーセンがある場所でもある所。

 しかし、名物である入り口看板が無くなっていて、チト寂しい。

 台風でセンター街の看板が倒れて、修復不能になったとは聞いていたが・・・・・綺麗さっぱり無くなってるよ。

 新しくできた看板はあるにはあるが、これまたスッキリしすぎるくらいに目立たない看板に成り果てていた。故意に探さないと気がつかんぞ、コレ。

 そして、どうするんだろう・・・「街2」の時。

 不安は残るが、日々移り変わるのが私たちが居る「街」なのだ。全てそのままという訳にはいかないのだろう。

 それに、私たちが悩んでも仕方がないし。CG処理でもするんだろう。きっと。


●マルハンパチンコタワー〜シアターD

 センター街に沿って、ゆっくり踏み締めるように歩く。「この視点は、ケーキ屋を探す牛尾だな」と思いながら歩く。

 平日のセンター街は意外に空いてるもんだ。

 歩いていくと、見覚えのあるゲーセンと、しおりさんいきつけの「Ducky Duck」を発見。そして「カフェ・ラ・ミル」も発見!本当にそんまんまだねぇ。

 そして、マルハンパチンコタワー。裏口のようだが、ここは「街」とはちょっと雰囲気が変わっていた。移転したためだろうか。

 センター街から横に逸れ、井の頭通りに入って道なりに進むと、「シアターD」を発見。ここは正志のミッション番外編の場所。

 しかし、裏口と看板しか拝めなず。夜じゃ無いから雰囲気も無かったしね。写真を撮る気も起こらん。ただの場所確認で終わってしまったな。


●東急百貨店本店屋上

 センター街を一通り見た後は、桂馬君関係の屋上(1日目&2日目の名シーン場所)と「街ごっこ」決行場所探しの為、近くにある東急百貨店本店から始めることにした。

 井の頭通りからセンター街を突き抜けるように南下。文化村通りに出ると目の前に東急本店の建物が見えてきた。

 すぐさま入り屋上へ直行。そして屋上に着いてみると・・・。

 プレイランドはあった。あったけど、なんか違う。ここは撮影に使われなかったのだろうか。でも、見たことあるアングルなんだけどなぁ。

 ぶらりと廻ってみてみたが、確証が得られなかったため断念。すぐさま地上まで降りていった。

 しかし後になってから、写真を撮っておかなかったことを後悔した。

 なぜならそこは、もしかしたら桂馬5日目・PM7:50の名場面の場所だったかもしれなかったからだ。

 確証は無いが、そこの屋上エレベーター口から屋上の野外に出るのに1枚のガラス扉があり、今思えば雰囲気も似ている。

 くそう、後悔先に立たずとは、良く言ったものだ。次に来た時は写真は必ず撮るぞ。


●ブックファースト・買い物

 東急百貨店からでた私たちは、文化村通りに沿って渋谷駅方向に下りブックファースト似て買い物タイムにはいる。

 私はそこで、友人へのプレゼントとして「ポポローグ」の攻略本を購入。友人は何だか大量にコミックを買い漁っている様子。私もついでに「沈黙の艦隊番外編」の本を一冊購入する。

 ここは「街」と関係無い為、簡潔に済ませておこう。


●PM 0:20頃 カフェ・ラ・ミル

 歩き疲れはじめてきた為、先ほど見つけた「カフェ・ラ・ミル」で休憩することにした。

 ブックファーストを出たあと、文化村通りからセンター街に戻り、「カフェ・ラ・ミル」へ移動。

 到着してみると、喫茶店はどうやら2階にあるらしい。店の外見を下から見上げたアングルは、見覚えのある「街」風景の一つだ。

 1階に置いてある看板も、美子のシナリオで使われたものと同じものだ。あとで写真を撮って帰ろうっと。

 早速、2階の入り口から店に入る。その途端、一番最初に目に飛び込んできたのが、見覚えのある肌色の電話機だった。

 おおおおおおお〜これはっつ!まさしく「街」っつ!!

 この受話器を正志が使っていた(正志1日目・AM11:40)のかと思うと、思わず抱き締めたくなる衝動に駆られる。さすがに行動には移さなかったけどね(笑)。

 そして、ウェイターさんに案内された席の場所が、またまた私を興奮させたのだった!

 席の場所は、入り口を入って真っ直ぐの所にある窓際。窓から下を見下ろせばセンター街を歩く人々が見える場所。

 そう!ここまで言えば、「街」をやりこんだ人になら解るだろう。ズバリ、5日目で市川と木嵐が座っていた場所なのだ!

 しかも私が座った場所は、市川が座っていた位置だったのだ!

 これで興奮するなと言う方が無理と言うもの。

 椅子の座り心地は、堅い上にギシギシいってチト悪いが、場所は「街」テイスト溢れてて最高である。

 そして、ここで注文するものは、やはり「チョコレートシフォンケーキ」。それとダージリンティーを注文。どこまでも「街」気分を味わうのがこの旅行の趣旨だからね。

 ケーキが来るまでの間、真横に見える「肌色電話機」が妙に気になりはじめる。我慢し切れずに、写真をパチリ。

 暫くしてから注文の品が到着。

 シフォンケーキの見た目はそのままだ(当たり前)。味はなかなかのもの。初めて食べてみたが、クリームとケーキスポンジの両方がフワフワしてて美味しいのだ。

 美子ちゃんが寄り目になってしまうのも頷ける。

 しかし、紅茶の料金が高かった。ダージリンティーで800円もするとは・・・・。東京の物価は高いのだ。

 会計をすませた後、最初の予定通りに「カフェ・ラ・ミル」の看板前で写真撮影。


●PM 0:40 コインロッカーを求めて

 手荷物が増えてきたため、一度渋谷駅まで戻ることにした。

 またもやスクランブル交差点を通る。

 今度は駅方向のアングルだ。これはオープニングでも見た事ある景色だな。ふと、頭の中に「街」の主題歌「夜明けのうた」が流れ出す。いい感じだ。

 駅前に到着し、コインロッカーを探し歩くがなかなか発見できず。

 仕方がなく荷物を持ったまま、屋上&「街ごっこ」場所探しのために「東急東横店」に移動したのだった。


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