★迷える外人部隊★
<脚本:長坂秀圭 横山至>

 ”顔は濃いけど喋れば軽薄”の増田雄一氏演じる隆士。とっても渋いんですよね......。そして、とっても静かに進むんですよ、このシナリオ。静かといっても別に音楽が殆ど流れないとかじゃなくて、全体の雰囲気がとっても静かなんですよ。

 そして、とても重く悲しい物語。

 一回目読んだ時、初めは何が言いたいのかよくわかんなくて、とにかく隆士の哀愁だけが漂ってきたのだけは印象に残ってました。しかし二回目、三回目と読むうちにこのシナリオのよさがわかってきて、「花火」を読んだ後なんか、もう...涙無しでは読めませんでしたよ。

 自分の居場所がない...自分の居場所を失ってしまった隆士。その場所を探し求め、題名の通り渋谷の街をさまよい歩く姿は痛ましいほどでした。そして、誰もが一度は考えたことがあり、いつの間にか気にしなくなって、それが当たり前になってしまった”自分の居場所、自分の生きている意味”を、改めて考えさせられました。

 しかし、あの結末は.....。

 伍長と出会い、自分の生きる道をようやく見つけることができた隆士にあの結末はないでしょうが。悲しすぎますよ。酷すきますよ。.......人生ってなんなんでしょうか。そう思わずにはいられませんでした。


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