5/22(日) 【共通点/4分の一の絆】
 大野クン出演のドラマ「四分の一の絆」を不思議な気持で見ました。舞台真っ最中の放映って、微妙に微妙でありまする。
 舞台上の生の大野クン方がずっとずっと綺麗なのよねぇとつぶやいてみたり。 
 一つ一つの言葉の間に微妙な呼吸を入れて、かみしめるように台詞を発する様を見て、舞台でもこのくらい間があったら、もっと芝居のふんわり感ときっぱり感が増して、オースティンの動揺が引き立つのに・・・と思ってみたり・・・。

 でも、大野クン扮する鈴木直也が、気持ちよいくらいに素直で真っ正直で、暗いストーリーのドラマにあって、それこそ天然に湧き出る泉のごとく眩しいくらいのエネルギーを秘めている感じがしました。
 シーンとしては、やっぱり、「嘘には聞こえないけど。」に始まる中村氏との車中シーンと、最後のナレーションが好きでした。声だけというのもなかなかいいものですね。
 読売新聞のTV評を父が読んだらしく、「お父さんは大野クンの演技をとてもいいと思ったからな。」としっかりビデオに録画してくれてくれておりました。(自分でもDVDにきちんと録っておいたのですが・・・。)

 声の魅力と言えば、唐突ですが、眼鏡をかけたオースティンの風貌がどことなく「冬のソナタ」のペ・ヨンジュン氏に似ているという話。「冬のソナタ」は暮れの放送で、とびとびでは見ていたのですが、「初恋の人をいつまでも思い続けている」というシチュエーションにどこか退いてしまっていたのです。でも、今回改めて見てみて、大野クンとヨン様が似ているという話には頷ける気がいたしました。声がとてもいいんですよね。それに、ヨン様演じるチュンサンは、無口で端正で、まるで昔の大野クンみたい。
 

5/4(火) 【会心/TRUE WEST】
 昨日に引き続き「TRUE WEST」を見て参りました。
 
 改めて、とっても絵になるオシャレな舞台だなと思いました。大野クンをはじめ、登場人物は一度も衣装を変えないんですよね。舞台セットも変わらないと言っていい。微妙に角度を変えるだけ。それでも、あんなに場面場面で雰囲気を変えちゃうんだから、これは凄い舞台だなって思いました。
 
 そして、台詞劇というのは、本当に難しいんだなとも思いました。同じ台詞でも、相手とのタイミングや動き、表情で全然違ッて聞こえてくるんですよね。アメリカでは、教師や医師が、相手とのコミュニケーション力をつけるために、大学で演劇を必ず学ぶという話を聞いたことがありますが、なるほどなぁぁと思いました。
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 そして、考えてみればみるほど、素晴らしいキャスティング。どう思い返してみても、これ以上の組み合わせはなかったと断言できてしまうほどのキャスティング。「オースティン」という名前も、「リー」という名前も、この二人のためにネーミングしたのではないかとさえ思えてくるから不思議。「青木さん・・」とも「プー」ともちょっと違った意味で、お二人が大海を思いっきり力泳しているようなものすごい迫力を感じます。なんだか、見た後に「会心の一撃!」と唸りたくなるような妙な爽快感があるのです。

 特に私の好きな場面は、オースティンがお父さんの入れ歯の話をする場面。大野クンの声がやわらかに響いて、大野クンの手や指の動きもとても美しくて、動きの多い2幕の中にあって、ひんやりと静寂が漂っていて、なんだか満点の星空の下で静かに話している雰囲気。会場全体がキュ〜ンと大野クンに吸い寄せられていくのがとても心地よい。
 「オレンジデイズ」でも、妻夫木君タチが手話を披露してとてもいいドラマになっているけれど、大野クンが手話に挑戦したら、独特の空気感を感じるだろうな・・・とつくづく思ってしまう。

 そう。空気感なのだ。このお芝居がどことなく常軌を逸しているように思えるのは、空気感が普通とちょっと違うのだと思う。翻訳劇なのだからでしょうか。
 今までにないホワンとしたワケわからなさがとても心地よく、何とも言えない余韻が残るお芝居だなぁと思いました。

 もうどうしようもないほど、しっかりはまっています。

5/3(月) 【衝撃/TRUE WEST】
 TRUE WESTを見て参りました。
 この前の冬コンで、初日の感激を味わってからか、今回は、最低限の情報しか手に入れないで、つまり、ネタバレ情報はほとんど避けて“マイ初日”に臨んだわけですが、これが功を奏したらしく、いい意味で衝撃を味わえました。アッという間の2時間でした。
 
 はっきり言うと、狂気じみたお芝居なわけです。
 大野クンのおかげで、プレゾンや宝塚系以外の演劇をここでいくつか見たわけですが、演劇も、映画と同じで、いくつかのタイプがあるんですね。パンフレットにも書いてありましたが、まず分類とするならば、わかりやすいか、わかりにくいか。そして、もういくつかの分類をあげるとするならば、「豪華か、簡素か。」「正気か、狂気か。」
 宝塚もプレゾンも言うならば、「わかりやすくて正気で豪華な」舞台なわけです。プーも、「わかりやすくて正気で豪華な」舞台だったかもしれない。そう。あの「青木さん・・」も今思うと、わかりやすかったし、正気だったし、豪華だったわけですよ。
 
 でも、今回のTRUE WESTは、ちょっと待てよ!って感じなのです。「シュール」とか「サイケ」とかとも違うんだな。まさに、「ワケわかんないけど、面白い。」がぴったりなお芝居なのです。
 このワケわかんなさは2月に何回か見た「カメレオンズ・リップ」とものすごく通ずるものがあるように思いました。

 でも、「カメレオンズ・リップ」と違って、「TRUE WEST」の方がかなり潔いなと思いました。時間が短いのと、登場人物が少ないからかもしれません。狂気じみた空気感がいやみなく、その独特の不思議な感覚が心地よさでとどまっているそのぎりぎりの線を、作り手はよく心得ているなぁと感心すらしてくるのです。
 
 大野クンの演技にも大満足です。
 きっと、大野クンのオースティンは、今までいろんな人が演じたどのオースティンよりもキュートなんではないかしら。でも、大野クン独特の間がなんとも不思議で、キュートながらも、「怪演」という言葉がぴったりとくる異様なナニかがあるのです。
 つくづく大野クンは不思議な人だなあと思いました。