4/17(日) 【平積み大作戦】
 今、とても楽しみにしている番組がある。それは、この春から土曜の夜にBS2で放送している「平積み大作戦」。
 題名は知っていても、あまり読まれていないであろう名作の良さを再認識しようじゃないか!という番組。
 テーマに沿って、2人のプレゼンターがそれぞれ1つずつ作品を絞り、その良さをアピールする。2人のゲストを含む50人の観覧者が、そのプレゼンを聞いて読みたくなったかを回答し、その状況を見て、3人のこだわり書店オーナーが平積みをするか否か判断を下すと言うモノ。
 
 先週はのテーマは、「甘く危険なセレブに憧れる人にオススメの名作」。プレゼンターはTVブロスでもおなじみの書評家、豊崎由美氏とご存じ山本晋也監督。お薦めの一作は「金色夜叉」と「華麗なるギャツビー」
 「金色夜叉」は、昼メロのようなジトジトしたイメージがあるけれど、見方を変えれば、10ページに1回は大笑いしてしまうとんでもないコメディーなんだそうな。そのくらい常軌を逸していると言うことか。
 「華麗なるギャツビー」は70年代にロバート・レッドフォード主演で映画化されたことで有名だけれど、セレブ感は映画よりも原作の方がとんでもないそうな。一行一行噛みしめて読んでいくと、その想像を遙かに超えるセレブさ、そして、セレブ故の虚しさがじっくり味わえるという。

 結局、「金色夜叉」を読みたいと思った人は37人。「華麗なるギャツビー」は33人。平積み決定は「金色夜叉」が3店、「華麗なる〜」が2店という結果でございました。

 で。昨日。その番組になんと、あのきたろうさんがプレゼンターとしてご登場なさったのであります。
 テーマは「Jホラーに夢中な人にオススメの名作」
 きたろうさんが薦めた一作は芥川龍之介の遺作「歯車」。
 とにかく、感心しまくったのは、とてつもなく潔いプレゼン。
 「44ページだから読みやすい。」
 「貞子はしげ子(芥川を悩ました女性)だ。貞子は芥川が産み出した。」
 
 きたろうさんのプレゼンは、結論をスパッと言い放ち、大変潔く、それでいて、芥川作品のその独特の難解な魅力に引きつけられ、芥川自身にもかなり傾倒していると思わせる情感あふれるもので、最高でした。
 なんだか、本当に読みたいと思ってしまいましたよ。
 ゲストに、大野クンやニノが登場したらおもしろかっただろうなぁ・・・。
 とにもかくにも。大野クンは、とんでもない偉大な方と共演していたんだなとしみじみ感動せずにはいられなかった45分でした。

 そうそう。もう一つの作品。「ネジの回転」も非情に興味が沸きました。
 薦めたのは、映画「リングゼロ」の監督、鶴田法男氏。映画監督さんだけあって、物語の読み解き方が実に空間的なんだな。翻訳ものを、リアルに想像できる人は、かなりの人だと思うのだけれど、前回の山本監督といい、監督の能力のひとつなのかもしれないなと思いました。 

4/16(土) 【キッチュ♪】
 先日、宝塚月組公演「エリザベート」を見てきました。
 やっぱり、「エリザベート」は宝塚が一番!としみじみ感じ入った3時間でありました。東宝版のエリザベートも9月に再演されるそうですが、私は、やっぱり宝塚のエリザベートが何よりも大好きです。

 まず、とにもかくにもトートとトートダンサーが美しい。
 内野さんのトートも魅力的だったけれど、トートを主人公に据えるには、トートは限りなく神秘的で絶対的で魅惑的でなければならない。今回この舞台で退団となる彩輝直のトートは、トレードマークの銀色のロングヘアーもとってもお似合いで、その妖しさと清らかさが十二分に備わった魅惑的な存在でした。
 また、無機質的なトートダンサーは、宝塚ならではの美しさ。大野クンにトートを演じてもらいたいと思うのは、この限りなく美しいトートダンサーをバックにダンスを踊ってほしいと思うからであるということを痛感させられました。。

 次に。
 ルドルフ皇子の切なさがたまらない。
 今回、ルドルフ皇子を演じたのは、一目見たら忘れられないほどの美形の大空祐飛。出番は2幕のほんの一場面なんだけど、2幕のほとんど持っていってしまったかと思うほどの存在感がありました。憂愁の皇子はとにかく美しくなければならないのだと痛感しました。。
 いつだったか。「夜のヒッパレ!」で、姿月あさとさんがゲスト出演されたとき、司会の中村絵里子さんが「エリザベート」の大ファンで、「ルドルフ皇子との場面がたまらない。」と熱くかたっていましたが、「あの言葉の意味が初めてわかりました!」と降参したくなるほど、銀橋を2人で渡りながらトートに操られるように踊る場面は圧巻でした。
 
 改めて、大野クンにこの美しい憂愁の皇子をぜひいつか演じてもらいたいと思いました。大野クンだったら、独特の無表情な演技で、自分の影さえなくしてしまうほどの憂愁さを醸し出し、舞台を一段と引き締めてくれるのでは思います。

 そして、そして、そして。
 霧矢大夢さん演じるルキーニがかっこいい。そして、何とも言えぬ安堵感がありました。ルキーニは、いわばストーリーテラーなので、年がら年中歌っているわけで、かなり歌の上手い人が演じなければ、舞台が台無しになってしまうのです。また、ちょっとしたポーズ、歩き方、腕の上げ加減などで、舞台の品格が決まってしまう。だから、ダンスもとびきり上手い人でなければならないのであります。
 霧矢さんが歌う「キッチュ」は、今回もっとも印象に残った曲となりました。とても華やかで、高貴な感さえし、とても宝塚的だと思いました。
 そして、やっぱりニシキにとっても似ているなぁと思いました。9月の東宝公演では、高島政宏さんが5月に続けてこのルキーニを演じるそうです。高島さんの歌声は、ソフトで深みがあるので、ルキーニにぴったりなんだけど、いつか、大野クンがルドルフ皇子を演じるあかつきには、ぜひこのルキーニをニシキに演じてもらいたいと思いました。とてつもなくキッチュでキュートな、存在感の大きいルキーニになるだろうな。

 そうそう。ニシキと言えば。
 とうとう、結婚なさってしまいましたね。もちろん、劇中ですけれど。
 紋付き袴が超お似合い。そして、酔っぱらった姿が超可愛い。
 「渡る世間は鬼ばかり」はいつ再開なさるのでしょうか。次のシリーズも、そのまた次のシリーズも準レギュラーでしっかり登場してほしいから、当分は円満な家庭を築いていただきたいです。照之ちゃんみたいに、アッという間に事故死なんていうのはごめんだぜ。